ペルセウス座流星群・今年はマチで楽しもう」by id:Oregano


毎年お盆の前後はペルセウス座流星群が夜空を彩ります。今年のピークは8月13日。ペルセウス座流星群は期待を裏切らない流星群で、ピーク時には毎年、1時間あたり数十個の流星が流れるのが恒例です。


例年なら、この文字通りの降るような星を眺めに、空がきれいで市街地の灯りも少ない場所に行こう、となるのですが、8月13日の月齢は13.3。ほとんど満月に近いお月様なのです。しかも月の出は18時ちょうど、月の入りが4時11分(東京の場合)と、ほぼ一晩中夜空に居続けます。これではマチ灯りを避けて山に登ったとしても、月明かりが邪魔して、ほとんど意味がありません。


でも物は考えよう。今年は都会で夜空を眺めたってほぼ条件は同じなのですから、気軽にイエの庭やベランダからこの天体ショーを楽しもう、と割り切れるのです。都会でも見られるかって?おそらく大丈夫。毎年ペルセウス座流星群は明るい流星が多く流れますから、観測個数は減ると思いますが、きっといい流れ星に出会えます。


観測場所は、もちろん全天が見渡せる広い場所が最高です。でも、流星はどの方向にも軌跡を描いて飛んでいきますから、夜空が見える所ならどこでもチャンスがあります。ただ、月が視界に入ってしまうとその光に邪魔をされてしまいますから、南向きのベランダなどはやや悪条件かもしれません。月に邪魔されない方角が見える場所を探してください。


ペルセウス座流星群という名前は、ペルセウス座のある方向が放射点となることから名付けられていて、それは北東方向になりますが、放射点にこだわらなくても流れ星はちゃんと見えます。


流星の見え方ですが、これはかなり気まぐれです。先に「ピーク時には毎年1時間あたり数十個の流星が流れる」と書きましたが、平均して数分ごとに必ず見えるとは限らず、短時間のうちに立て続けに飛んできたり、その後しばらく音沙汰がなかったりを繰り返します。


これは流星のもとが、彗星が置きみやげとして軌道上に残している宇宙のチリだからですね。チリの密度は一定ではなくまばらですから、チリが固まっている所が大気圏に接触すれば流れ星の大群になりますし、そうでなければ全然流れないということになるわけです。


ちなみにペルセウス座流星群の母彗星はスイフト・タットル彗星です。この名前は、きっと多くの人が知っているでしょう。もしかしたら地球にぶつかるかもしれない彗星として話題になることもあります。


スイフト・タットル彗星の公転周期は133.28年で、前回地球に最も接近したのは20世紀後半でしたから、次にやってくるのは22世紀になってから。 NASAによると再接近日は2126年8月5日で、月と地球との距離の59.7倍離れた場所を通過するそうです。ぶつかりはしませんが、かなりの至近距離ですね。この年にはきっとすごい彗星が地上から見え、直後の流星群もシャワーのような流れ星の大群となることでしょう。そんな未来を想像しながら夜空を眺めてみるのもまた興味深いのではないでしょうか。家族で、友だち同士で、みんなで夜空を眺めて、宇宙の一端に触れる体験を共有してください。


なお、当日が曇り空だったとか、期待したほどの流れ星に出会えなかったという場合は、こんなDVD。NHKの映像技術が記録してきた様々な夜空の決定的シーンが収められたDVDです。もちろんペルセウス座流星群の映像もあります。

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