「わが家の海苔の日イベント報告・海苔でなつかし弁当を再現」by id:tough


2月6日は海苔の日と初めて知って、ちょっとした記念行事をやってみました。海苔はイエの食卓にも外食にも、はたまたコンビニのおにぎりに至るまで、あらゆる食のシーンに登場しますが、お弁当にまつわる海苔の思い出というのも大きいと思うのです。そこで、海苔をテーマに、家族それぞれに思い出深い弁当を作ってみることにしました。


母が作ったのは、海苔で作った「LOVE」の文字も鮮やかな、うれしはずかし典型的な愛妻弁当。海苔の黒のまわりは炒り卵の黄色で埋められていて、この配色は工事現場の標識そのものですから、「LOVE」の文字が目立つ目立つ。さらに目を引く桜でんぶのストライプ。母は「結婚前や新婚当時は、よくこんなお弁当作ったのよ」と満面の笑みです。父は「家族の前でもはずかしくて蓋が開けられない」と満面の照れ笑い。いいものですなー、愛妻弁当


父が作ってくれたのは、私にとっては思い出深い、球形のおにぎりに海苔で世界地図を貼り付けた地球儀おにぎり。これは運動部に所属していた私が大会に出場した時、後輩の女子が励ましにと作ってくれたものでした。私は格闘技の選手でしたので、個人戦があります。まだ試合慣れしていなかった私は、何日も前から緊張してガチガチになっていました。そんな私を見て、緊張を和らげようとしてくれたんでしょう。「これ食べて」と手渡された包みを開くと出てきた地球儀おにぎり。添えられた卵焼きには、同じく海苔で「セカイをくらえ!」との文字が貼り付けられていました。オリンピックじゃないって(笑)。これで大笑い、そしてホロリ。すっかり緊張が解けて、そうだ、応援してくれる人の心も背負って闘うんだと、全力を出し切ることが出来ました。そんなことを父に話したのを覚えていてくれたんですね。それを今日、父が再現してくれたというわけです。


私が作ったのは、海苔だんだん弁当でした。白いご飯の上におかかを敷き、その上に醤油に浸した海苔を重ね、さらに白いご飯を重ねて、おかか、海苔と重ねていく。お馴染みのあのお弁当です。母はお弁当というと、いつもこれだったそうなのです。女子が食べるお弁当としては地味ですが、おかかと海苔の風味が大好きで、いつもこれを作ってもらっていたとか。おかずの詳細はよく分からなかったので、定番の卵焼きとお弁当用ミートボール、そしてポテトサラダとタコさんウインナーなどを入れてみました。唯一おかずに関して得ていた具体的な情報は、おかずの仕切りにレタスが使われていたということ。母の母、つまり私のおばあちゃんは紙のカップなどの使い捨てがもったいないと、代わりにレタスの葉を使っていたそうなのです。ですからもちろん私もそれを踏襲。時季外れですがミニトマトを彩りに添えて、こんなんでどうよと母に見せると、「これよこれ、このレタス!」と喜んでくれました。


みんな揃って、それぞれのお弁当を「いただきまーす!」。楽しい海苔の日ランチになりました。海苔の日に、海苔を使ってみんなで何かを作ってみる。これをわが家の恒例行事にしていきたいと思います。


なお、海苔の日に当たってネットを検索して調べていたら、なんとアサクサノリの野生種が、環境省レッドリストの絶滅危惧I類(CR+EN)、つまり絶滅の危機に瀕している種となってしまっていることを知りました。


特産物としての浅草海苔は、生物種としてのアサクサノリを養殖して商品化した物です。この野生種は、1960年代までは、北海道から九州に渡る広い地域に分布していたそうです。しかし、海苔の自生地は主に内湾ですから、人間が行ってきた自然破壊や水質汚染などの影響をモロに受けてしまったんですね。さらに高度経済成長は内湾を次々に干拓や埋立で改造していきました。その結果、今現在アサクサノリの自生地として確認されているのは、国内ではたった8個所となってしまっているとのことでした。


海苔はとても身近な食べ物ですが、私たちが気付かないうちに、自然界ではこのような大変なことが起こっていたのですね。海苔のお弁当でランチを楽しみながら、ちょっとそんな話題も語り合いました。海苔を通して考える自然環境というのも、海苔の日の恒例にしていけたらと思いました。


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