「冬のあったか飲み物ココアで健康づくり」by id:Oregano


ココアの原料であるカカオは、元は南米に自生していた植物と思われますが、それをマヤ文明が栽培作物としたそうです。当時は神への捧げ物とされていたとも、不老不死の薬として王族らに珍重されたとも言われています。カカオがいかに尊ばれていたかは、後に中南米の一部でこれが通貨代わりとして流通していたことからもわかります。


そのカカオの健康成分の第一は、やはりポリフェノールでしょう。ポリフェノールといえば抗酸化作用。体のサビと言われる活性酸素と結びついて細胞を守ってくれる作用です。


さらに鈴木登教授(聖マリアンナ医科大学免疫学・病害動物学、発表当時助教授)の「チョコレート摂取のヒト免疫能に対する影響」
http://www.chocolate-cocoa.com/symposium/pdf/sympo_04f.pdf
を見ると、カカオのポリフェノールには免疫調整作用があるのだとか。


さらにポリフェノールは血液をサラサラにしてくれますから、体の中心をなす循環器系はもちろん、指先までの血液循環を良くして、冷えの改善にも一役買ってくれるのです。冷え症にはいくつものタイプがありますが、特に冬に辛くなるのは、手足の先など末端部の体温が低くなるタイプだと思います。ただでさえ飲むと温まるココアですが、体の仕組み面から言っても、こういう冷え症の人への頼れる応援団と言えそうです。


ココアで注目できる成分のもう一つは食物繊維です。煎じるのではなくパウダーを湯に溶いて飲むココアは、かなり良質な食物繊維の供給源。ココアパウダーの重量の1/3から1/4は食物繊維と言われていますから、1杯のココアにティースプーン2杯のパウダーを使うとすると、少なくとも半匙分は食物繊維ということになります。これでお腹が元気になれば、体全体が元気。冬の健康の土台を、体のど真ん中から作ってくれますね。


さらに神谷茂教授(杏林大学医学部感染症学講座微生物学部門)の「消化管病原細菌に及ぼすココアの抑制効果」
http://www.chocolate-cocoa.com/symposium/pdf/sympo_04c.pdf
を見ると、ココアに含まれる遊離不飽和脂肪酸が、胃潰瘍の原因となるピロリ菌などに対して効果を発揮することが書かれています。


こうした効果を特に期待するならば、空腹時、たとえば朝の「おめざ」としてココアを飲むとよさそうです。


ココアなんてチョコと同じで太りそう、と思われる方も多いと思いますが、ココアパウダーはカカオ豆を発酵、焙煎、種皮と胚芽を取り除き、すり潰してカカオマスとした後に脱脂して作られますから、意外に脂肪分は少ないのです。さらに、先のいわしを見ると、ポリフェノールの一種であるお茶のカテキンには「肝臓に届いたカテキンが脂肪燃焼酵素を増やして素早く片付けてくれる」効果があるそうですが、
http://q.hatena.ne.jp/1292994072/277816/#i277816
ココアにもお茶と共通するカテキンが含まれていますから、その点でもむしろココアは体脂肪の蓄積を防いでくれる食品と言えそうです。


甘くしすぎないビターなココアとして楽しめば糖分の過剰な摂取は防げますし、甘いのが好きな人も、ティースプーン2杯の砂糖とご飯1〜2口はほぼ同じカロリーですから、全体の食事量でカロリーをコントロールすればいいですね。私もココアは大好きです。冬にうれしいココアを活用して、寒い季節の元気を増していきましょう。


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