「親父の工具箱」by id:maruiti


親父の両開き工具箱。
金槌、ペンチ、ニッパー、鋸、錐、レンチに精密ドライバーに大きなプラスとマイナスのドライバー、カンナにラジオペンチ。
千枚通しに肥後守(ひごのかみ)そしてカッターナイフに金やすりにサンドペーパーそしてボンドに接着剤。真鍮ブラシ
ビニールテープに絶縁テープ。ねじに釘も、様々な形、種類のモノが入ってました。


小さい頃、親父が工具を使うのを見ているのが好きで、なんでも出てくるその箱はまるで宝箱のようでした。


なぜか工具箱を見ているとわくわくする・・・・これは自分に限らず男の半分以上は、工具類が好きだと思われます。
工具箱 ― そこには多種多様な工具が整然と収められていて、例えそのうちの半分以上は数年に1回しか使われないものだと
しても、「何でもできそうな感じ」をかもし出すという重要な機能を果たしているんです(笑)


小学生になってからは見ているだけではなく、親父一緒に物作りをし「ここをこうしようか?」とか
「なんでうまくできないんだろ?」等、熱く語り合ったもんです。
夏休みの工作も親子共同で取り組み、小さなものでも、親子で何かを作り上げることで親子の絆が強まった気がします。


結婚して家を出る時に、工具箱を渡されました。
親父が使っていたのと同じ形で色違い。
中には金槌、ペンチ、ドライバー等、基礎的な物だけしか入っていませんでしたが、それから十数年の間に
必要なモノを少しずつ揃えていきました。


現在は金定規にカッターやハサミ、セロハンテープ、ビニールテープにピンセット、油性マジックなんかも入っていて、工具箱と道具箱の合いの子のような状態です。
息子はこの工具箱があれば、なんでもできる!と思うようで、工具箱を開けると子どもの物作りしたい気分が盛り上がるようです。


ほぼ完成まで自分が作った椅子も、最後の仕上げの釘一本打っただけで息子が全部一人で作った気分になっているのが、まるで昔の自分のよう。


もう少し息子や娘が大きくなり、竹細工や木工ができるようになれば、糸ノコや、小刀なども揃えていく予定。
そうそう、自転車の修理技術、これも子ども達に伝えたいですね。


大人になってからもラジオペンチやニッパーなど、少年時代にいじった工具に触れると楽しいものです。
子どもの成長とともに我が家の工具箱も進化します。
新しい工具を買うために、子どもそっちのけで新しい工作アイディアに挑戦したくなっちゃったり…と、自分の世界も広がります(笑)
ペンチなども使い込むうちに手に馴染むところなんかは、金属とはいえ親しみを感じます。
自分の歴史と家族の歴史が融合した工具箱。 
いつか息子が家を巣立つ時には親父からとして、手になじんだお気に入りの道具と彼と共に新しい歴史を刻む工具箱を持たせてやりたいな、と思っています。


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