「家族の歴史と百人一首by id:sumike


 子どもの頃の家族の、楽しい思い出といえば、何と言っても家族で火花散らした百人一首かるたです。
何歳から始めたかは記憶にありませんが、物心ついた時にはもう参加していました。
父に言わせれば、四〜五歳からやっていたようです。


 読み手はいつも父で、早く帰った夜には時々「かるた取りやろうか」という父が声をかけ、
夕食後のひと時を百人一首に熱中したものです。
 私の家族の原点は、五人家族で囲んでいた楕円の大きな卓袱台で百人一首に興じた日々かも知れません。


 取り手は二人姉弟と母と祖母の四人でしたが、私が家を出る二十歳ぐらいまでやっていました。
一番よくやったのは中学生時代で、姉弟の実力はほぼ互角でした。


 百人一首かるたは、普段は百枚をばらばらに並べ上の句を読んで下の句を取る、「散らし」という遊び方が主でしたが、
たまに2チームに分かれて五十枚ずつ持ち、相手チームの札を取れた時はこちらの札を一枚相手の陣地に置き、
早く自分のチーム側の札がなくした方が勝ちという「源平」という遊び方や、作者の名前を読み、札を取る「作者取り」もしました。
 私にとっては百人一首かるたは雅な遊びというより一種のスポーツ感覚で、反射神経が重要で、ぞくぞくするような緊張感がとても心地よく、札を取れた時には爽快感もありました。


 百人一首かるたは大人も子どもも一緒に楽しめ、色々な遊び方ができる奥深い魅力あふれるゲームです。


 しかし、核家族化、少子化で家族の人数が減った今、家で遊べる機会が少なくなっています。
まず読み手に一人取られてしまうので、これはランダムに読んでくれるCD等がもあるので利用するといいかもしれません。
十数年前、これが発売されたと聞いた時、我家でも購入を検討しましたが、父が読む節回しがいいのと母が反対し
結局CDの購入にはいたりませんでした。
 父が取る方に参加して、万一子ども達に負けたら大変という、母の配慮だったのかもしれませんw


今、我が家にある百人一首グッツ。


 一つは二千ピースからなる百人一首のジグソーパズル。
 これは母からのプレゼントで、子どもが生まれる数年前の正月に実家で組み立てました。
これが思いの外大変で(というよりは長く楽しめたといいますか…)結局実家では完成せず、自宅へ持ち帰り
完成までに二週間程かかりました。
 実家ではジグソーパズルは、箱の蓋に画かれている出来上りの絵を見ないで作るという妙な伝統があるのですが、
さすがにこの時は途中から母も箱を見ましょうか?と言い出し、見ながらもまた皆で悩みました。
 この年は十分アナログな正月を楽しみました。
今はパネルに入れて飾ってありますが、糊づけはしていないので、いつか今度は子ども達と一緒に取り組みたいと思っています。


 そしてもう一つが本の補修テープで角を補強した紙箱に入った百人一首セット。
これは私が中学生の時に弟と一緒にお年玉を貯めて買った物です。
もちろん母と祖母からも協賛費をいただきました^^
 今はもっと安い価格で売っているかと思いますが、当時はかなりの金額だったように思います。
どうして貴重なお年玉を使ってまで購入したのかといえば、それまでつかっていた木箱入りのものは字が崩してある、趣のある草書体。新しく買った札はとても読みやすい行書体で大きな文字。
この札に変えてから、私と弟の取る札の枚数が飛躍的にアップしましたw


 息子がようやくひらがなが少しずつ読めるようになってきたばかりですが、私もその頃から始めたみたいですし、そろそろ百人一首デビューをさせたいなぁと考えています。
 最近、耳で聞いただけでとんでもなく長い歌詞や言葉を覚えていたり、教えもしないのに平仮名を覚えては、
どこにいても文字を探して読む(意味などは読んでから聞きます)、といった事もあり、この年頃の子の能力は侮れないものがあります。
 まぁ最初から札を取るのは難しいと思うので、まずは絵から入るということで、坊主めくりからかしら。
 和歌の韻を踏んだ句や五七調の流れるようなリズムは、まさしく歌のようです。
いつの間にか私には父の読み上げる節回しというかイントネーションになじんでしまっていて、
同じようなイントネーションで読んでいます。


 最初は和歌の意味が分からなくても、家族や周りの人が読んでくれる楽しい雰囲気と、札のきれいな絵に、
子どもが何かを感じてくれるのを楽しみにしています。
 絵本を楽しむように、百人一首かるたも家族で一緒に親しんでいきたいです。


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