ミョウガで爽やかに暑気払い」by id:tough


夏のおいしい食材にミョウガがありますが、これがなかなか優れ物なのです。ミョウガの独特の風味はピネン(pinene)と呼ばれる精油成分で、この名はpine、つまり松に由来しています。多くの針葉樹が持つ芳香成分と同じ精油成分を持つミョウガ。なるほど、食べると爽やかになるわけですね。


このピネンには、まず大脳皮質を穏やかに刺激して、頭を爽快にしてくれる効果があります。それだけでなく、発汗や熱冷ましの作用もありますから、気分だけでなく生理的にも暑さを払ってくれるのです。


またミョウガの色はアントシアニンの一種マルビジンで、赤ワインやブルーベリーなどに含まれる物と同じですから、そちらの効果も期待できますね。


しかし、せっかくの健康食材ミョウガも、薬味に使う程度では、その効果が生かされません。やはり他の野菜と同じように、それなりの量をいただきたいですね。


最も手軽なのは天ぷらでしょう。大切な精油成分を揮発させきってしまわないよう、あっさりと揚げていきます。長時間の加熱は避けましょう。上手に精油成分を閉じこめたまま揚げられると、口に運んだ瞬間に、すばらしい香りが広がります。


ミョウガの酢漬けもお勧めです。漬け汁は、酢100mlに対して砂糖大さじ4程度を加えた甘酢とします。ミョウガの香りを大切にしたければ、酢と水で半分くらいに薄めて使っても構いません。小さじ1/2〜1程度の醤油を加えてもいいですね。
ミョウガは味の染みを良くするために、サッと熱湯をくぐらせます。ここでもせっかくの精油成分を逃がさないよう、長時間の加熱は避けるようにします。お湯をしっかりと切り、熱いうちに漬け汁に漬け込んでください。翌日から食べられます。これはお酢ミョウガの効果が合わさった、夏バテ防止にも役立つ一品です。たっぷり漬けて、バリバリ食べてください。


さらに、炊きたてのご飯に適宜切ったミョウガの酢漬けを混ぜ込み、しばらく蒸らすと、夏バテの時でも食が進むミョウガ飯。酢漬けの漬け汁が適度にご飯に混ざって、寿司飯のような感じで爽やかにいただけます。


もちろん生のまま適宜スライスして、他の野菜と合わせてサラダにしてもおいしいですね。ミョウガも工夫次第でたくさん食べることが出来ますから、ぜひ薬味だけに終わらせず、このすてきな夏の恵みで暑気払い&夏バテ防止を図ってください。


なお、ミョウガを食べると物忘れがひどくなると言われていますが、今は逆にピネンの効果で脳が覚醒して集中力が高まるとされていますから、夏が勝負の受験生諸君にもお勧めです。ミョウガでせっかく憶えた単語や数式を忘れてしまうことはありませんから、安心して食べてくださいね。


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