「自転車で風になる」by id:Oregano


古い作品ですが「風します?」というマンガがありました。主人公はバイクが大好きな若い女性。颯爽と走って風になりたい主人公ですが、初心者ゆえに色んな勘違いや失敗をしでかすという4コママンガでした。


風します? 第1巻 (ビッグコミックススペシャル)

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でも本当に風になれる乗り物というと、やはり自転車ではないかと思うんです。こちらの書き込みでもご報告したように、新年度に合わせて自転車を新調した私は、今、自転車のトリコになっています。
http://q.hatena.ne.jp/1268801775/256935/#i256935


バイクに乗る場合は、転倒してもケガがないような服装を整えておくことが基本です。理想的にはレーサーが着ているような革ツナギ。最低でも長袖長ズボンは必要です。手にもしっかり手袋。真夏の炎天下でもこのくらいの防御は整えておかないと、軽く転倒しただけで、骨まで達するほどの傷を負ってしまいかねません。その点自転車なら、もっとずっとラフな服装で大丈夫ですよね。自転車なら肌で風を感じられます。風と一体になれるんです。これは鎧を着込んで乗るようなバイクでは味わえない爽快さです。


自転車に乗る時の服装ですが、軽い街乗りならもちろん徒歩の時と同じ普段着で構いませんね。でもサイクリングなどに出かける時は、まず風を受けてバタバタしないような服、そして素材は化繊。この2点に注意をはらってみてください。


ええー、コットンのシャツとかそういうのがいいよ、ボタンを閉めずに風でヒラヒラさせながら走るの気持ちいいじゃないか、という人も多いと思いますが、服の空気抵抗はけっこう大きいですから、良く整備された自転車に乗ると、服が風でバタバタすることによるロスがけっこう感じられると思うんです。だから遠乗りに行こうとするなら、できるだけ空気抵抗が少ない服。長く走れば走るほど、疲労感に違いが出てきます。


それからコットンは汗を吸った後、そのまま繊維に水分が留まってしまうので、自転車を止めると急に寒くなったりすることがあるんです。また、長い坂道を登って汗をかいて、登り切って長い下り坂になったらとたんにブルブル、なんていうこともよくあります。
自転車はいい運動ですから、これからの季節はかなり汗をかきます。だから、汗をかいてもそれをサッと放散してくれる化繊などの方がサイクリング向きです。


そうした自転車乗りに適した機能をそなえた服に、サイクルジャージなどがあります。まるで自転車競技の選手みたいなかっこうをしてサイクリングをしている人を見ることがあると思いますが、あれは選手の真似をしてかっこつけているわけではなく、本当にサイクリングに適した服装を求めていくとああなるということなんです。
サイクルジャージは汗を発散しやすい繊維でできていますし、また空気抵抗を少なくするために袖がキュッと絞ってあったり、ドロップハンドルで前傾姿勢になっても中身を落とさない位置にポケットが付いていたりと、色々な配慮がなされています。


サイクルジャージに合わせるボトムがレーサーパンツです。外見はスパッツとよく似ていますが、実はレーサーパンツには、なんとサドルに当たる部分にパッドが入っているんです。何時間も自転車を走らせていると、お尻いてーなどと立ち乗りしたくなることがありますが、レーサーパンツならそういうことが少なくなります。
ピチピチのレーサーパンツは恥ずかしい、という人は、レーサーパンツの上にズボンをはけばOK。レーサーパンツは通気性がいいので、そういう重ねばきをしても大丈夫です。
なお、レーサーパンツは下に何もはかずに素肌に直接はくのが正しい着用方法です。知ってました?w


それから手袋(グローブ)。自転車用のグローブは指が出ていますから蒸れません。それでは手を守る意味が無いじゃないかと言われそうですが、実は自転車用のグローブには、ハンドルの振動を吸収するパッドがついているんです。これがすごく楽なんですよ。長時間乗れば乗るほど違いがわかってきます。


あとは、急な寒さに対応するための防寒着と、雨の時のレインコートの用意があれば、遠乗りサイクリングでも大丈夫です。


そのほか身につける物で揃えておきたい物というと、そんな大げさな、と言われてしまうかもしれませんが、やはりヘルメットは必須と言っておきたいと思います。頭部をしっかり守ることは、安全の基本ですね。
自転車専用のヘルメットは通気用の穴が開いていますし、重さも数百グラム程度と軽く、かぶっていることを忘れてしまうくらいです。安全のため、ぜひヘルメットはかぶってください。


あと、サングラス。自転車乗りの人はみなサングラスをかけていますが、あれは紫外線から目を守るのはもちろん、目にごみや虫などが飛び込むのを防ぐ意味もあるんです。つまりバイクのゴーグルと同じですね。
昼間は黒いサングラス。夕方や早朝、夜間の走行にはスモークの入っていない素通しの物。この2本を用意しておけば完璧です。
山道走行では木の枝などで目を傷つけてしまう事故も起こるので、目の防御は必須です。


以上、自転車で風になるための、簡単なガイドを書いてみました。皆さんもぜひ安全運転で楽しんでみてくださいね。


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