「今が旬、コゴミ」by id:momokuri3


コゴミはシダ類の仲間であるクサソテツの若芽です。まだ葉が開いていない、ワラビやゼンマイのような形をしているうちが食用に適した姿です。なかなか人気の山菜で、地方のマチの市や道の駅の即売所などでも見かけますが、以前某所に出かけたおり、コゴミが生えているのを見つけてすごいすごいと感激していたら、地元の方が「最近は都会で人気らしいけど、俺達はこんなもん珍しくもない」と言われてびっくりしたことがあります。コゴミはまとまって生える傾向が強いので、地元の方には本当にありふれた植物だったんですね。うらやましいというか、なんというかw


コゴミは、なんと富山県小矢部市にある桜町遺跡からも出土しているそうです。殻を割るなどの明らかな食用の痕跡が残る物ではありませんから、これが縄文時代の食卓に上っていた確証はありませんが、私はおそらく食べられていたに違いないと思います。なぜなら、コゴミはアクが少なく、特別な下ごしらえがなくてもおいしく食べられるからです。面倒なアク抜きをしなければ食べられないワラビやゼンマイなんかより、ずっと早くから食用になっていたのではないかと思います。


では、コゴミの楽しみ方をいくつかご紹介します。
まず最もシンプルな、茹でて味わう食べ方です。鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸いたら塩適宜を入れて、3分から5分茹でるだけ。茹で上がったら冷水にとれば、他の野菜と同じように色よく茹で上がります。たったこれだけ。本当にアク抜きなんて全く必要ないんです。
あとは水気をよく切って食べやすい大きさに切り、削り節をたっぷりかけて、お醤油でもポン酢醤油でも、お好きな物をかけて出来上がりです。カラシ和えや胡麻和え、クルミ和えなどにしてもおいしいです。芥子マヨネーズもおいしいですよ。ちょっとヌルッとした感じの食感が何とも言えません。


天ぷらもいけます。コゴミは細いですから、1本を半分に切って、数本まとめて衣を付けて揚げるといい感じです。あるいは、巻き葉の付いた上半分は単独で揚げ、下の茎は何本かまとめて小さな掻き揚げ状にしてもいいですね。こうすると、くるっと巻いた葉がかわいらしく、茎だけの方もボリューム感が楽しめる、すてきな2品ができあがります。


最近はコゴミを栽培する動きも広まっています。前述したようにコゴミはまとまって生える性質を持っていますから、旬の時期が短いということを除けば、栽培作物にも向いているんだと思います。もともと野生の植物ですから、世話に手間がかからないというのもきっと魅力なのでしょう。もちろん山菜ですから、農薬なんか全く使わずに作れますね。付近に生えているクサソテツを移植してくるなら、生態系を壊す心配もほとんどありません。


http://www.iwami.or.jp/sansai/sa-kogomi.htm
こちらのページを見ると、

コゴミは保水力の高い肥沃な土壌で、春先や夏でも乾燥しないところが適しています。


と書かれています。これって、休耕田に最適ではありませんか。高温に弱いとも書かれていますが、北国なら夏が短いですから、きっと田んぼでも大丈夫ではないかと思います。高齢化や過疎化などで放置されている休耕田をコゴミ畑にして、春だけマチから採取の人員を繰り出して出荷するとか、コゴミ採りツアーを企画するとかしたらどうでしょう。


コゴミは株分けやランナーの伏せ込みで増やせるみたいですね。ランナーとは地面を這って、節から根などを出す茎のことです。育ってクサソテツになっているのを一本もらってきてそれを植えておけば、イエでも育てたり増やしたり出来そうです。
上記サイトによれば、

ガーデニングでのポイントは、日当りの良い場所には植えないことです。


とのことですから、塀の陰などになって他の植物に向かない場所に、このすばらしい春のお楽しみを植えてみるのはどうでしょうか。深く根を伸ばす植物ではありませんから、プランターでもいけそうです。


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