★★(二ツ星)

「ウッドデッキならぬ土デッキ」by id:tough


くつろぎのスペースとしてウッドデッキに憧れていますが、いざ作るとなると、木で耐候性を持たせるのはなかなか大変そうです。プロに頼んで施工してもらえばいいですが、それでは資金がかかります。テラスもいいくつろぎスペースになりそうですが、これも素人がコンクリートできれいに仕上げるのはなかなかファイトがいりそうです。そこで、土間のような「土デッキ」というのはどうでしょうか。


計画はこうです。まず一階の掃き出し窓の前にテラス程度の場所を確保し、前に柱を二本立ててテラスと同じように屋根を渡します。屋根部分の木組みは普通の杉の角材で構いませんが、柱だけは栗材を使いましょう。栗材は水に強く腐りにくいので、古くから建造物の土台部分に使われていた素材です。栗なら直接地面に埋め込んでも大丈夫です。


続いて屋根の下の区画の周囲に石を並べていきます。花壇を作るように、大きめの石を半分地面に埋め込みながら、高さを揃えて並べます。レンガを積んだりしてもいいと思いますが、このあと入れた土を突き固めますから、レンガだとせっかく積んでも圧力で割れてしまうかもしれません。


石を積んだらその中に土を入れて固めます。使う土ですが、相撲の土俵は壁土に使うような粘土質の土で出来ています。国技館の物は、昔は東京都荒川区の荒木田原(今は町屋と呼ばれているあたり)の荒川の岸でとれた土が使われていたそうです。きめが細かく、とてもよい粘土質の土だったと言われています。
巡業先ではその土地の近辺で適する土を探しているそうで、赤土のこともあれば黒土のこともあるそうですが、とにかく相撲の土俵をお手本に、適する土を探しましょう。それを練って石で組んだ枠の中に詰めて突き固めていけばいいのですが、一度に厚く詰めずに、ある程度の高さに詰めたら生乾きのところでわざと表面を崩してから次を詰めていく、ということを繰り返して所定の高さにしていくといいようです。お相撲の場合、地方では最良の土が手に入らないことが多いので、こうした作業の工夫で堅牢な土俵を作っているようです。


完全に乾いたら表面をきれいに均して、掃き出し窓の下に濡れ縁のように和風の長椅子でも置けば完成です。ウッドデッキのように柵を設けて、柵を蔓性の植物で飾ったりしても楽しいでしょうね。
きっと土というナチュラルな素材が、庭とはまた違った独特のくつろぎ感あるスペースを作り出してくれると思います。素材が土ですから、しばらくたつと表面が荒れたりデコボコになったりすると思いますが、土だからこそ手軽にメンテナンスできる利点を生かして、手入れする楽しみも味わっていける場になると思います。


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★★ ミシュランコメント

「土デッキ」とはナルホドのアイデア、みなさまも目からウロコだったのではないでしょうか? ウッドデッキという、「高さ」で仕切られたくつろぎ小庭スペース。それをヒントに、大変な施工なしで、自分の手で仕切り石と土で作ってしまおうというプラン。しかも、屋根の柱には丈夫な栗材、デッキ部分には「土俵」に倣って粘土質の土と、設計のみならずふさわしい素材まで吟味されていて! 土のやわらかな感触は、ウッドに負けない、いえそれ以上のくつろぎ効果が期待出来るのもポイントですね。掃き出し窓と外にちょっとしたスペースさえあれば、DIYを楽しみながら作れる「土デッキ」。このアイデアの独創性と完成度にオドロキの★★を贈ります!