★(一ツ星)

「明かりによるくつろぎを演出する空間作り」by id:C2H5OH


イエはてなには様々な照明の工夫のアイデアがありましたが、それらを総合すると、くつろぎの明かりの条件とは、おおむね次のようになると思います。


1.単一の光源で部屋全体を照らそうとしない。必要な所に必要な明かりを分散して配置する。
2.光だけでなく影の効果も利用する。間接照明の活用。
3.光のブレンド。複数の光源を調光器を使ってコントロールする。
4.色温度は低め。つまり温か味のある電球色。
5.光源の高さを工夫する。高い位置ばかりに照明を集中させない。


これらはある意味、夕暮れの光を室内に再現すること、と言えるでしょう。人間は昼行性ですから、太陽のような白い光を、高い位置から、直接的かつ均一に照らした場合、それは昼間の再現となり、活発な活動を促す光となるはずです。
反対に夕暮れのような色温度の低い光を、低い角度から、影の効果も生かしながら不均一に灯すようにすると、昼間の活発さがある程度抑えられ、心も体も安らいでくる、と言えるのではないでしょうか。


また、ハザマさんのアイデア例にあるように、日常の煩雑なモノを無理に見せない、視覚を静かに遮ることで心も頭も安らぐのだという考え方も、とても大切なことだと思います。
http://d.hatena.ne.jp/ie-ha-te-na/20100222#Michelin
このために必要なのが、部屋の全てを照らし出そうとしない部分照明の考え方ですね。


こうしたことを踏まえて、夜のくつろぎスペースとして最適な照明レイアウトを考えてみました。まず主照明はペンダントライト。もちろん光源は白熱電球です。これを低めに配置して、自分が座る場所だけを照らします。ワンタッチで高さが調節出来る機構を持ったペンダントライトを使えば、昼間や天上直付けの本来の主照明を使う時には上げてしまえばいいので邪魔になりません。


副照明は思い切り床に近い所で照らすフロアライトにします。一例を挙げればこのような感じ。現代の行灯みたいな照明ですね。
http://item.rakuten.co.jp/prs/c/0000000358/
テーブルライトなどの活用も注目出来ると思います。これらは今までにもイエはてなで自作例が紹介されていますから、そういう例を参考に自作してみるのも楽しいと思います。


そして壁面を照らすダウンライトやスポットライトなど。あるいはチェストやサイドボードの裏に照明を仕込んで間接照明として壁を照らしてもいいですね。
チェストやサイドボードの裏に照明を仕込む場合は、安全性の面からも、設置のしやすさの面からも、発熱が少なく薄型に出来るLEDライトが適しているでしょう。LEDの演出用照明としては、このような市販品があります。
http://denko.panasonic.biz/Ebox/everleds/lineup/choreo/colorchor...
このような市販品はかなり高価ですが、壁面を照らすだけなら演色性(光による色の見え方)は気にしなくていいので、適当な高輝度LEDと簡単なコントローラーの組み合わせで、ほぼ同じ物が作れるはずです。
こうした壁面の照明で空間の広がりを出して、一部だけを照らす事による閉塞感が出ないように配慮します。


そしてこれらの照明の明るさをコントロール出来る調光器を備えれば、複数の照明の組み合わせでどんな場面でも表現出来る劇場の舞台のような、自由な明かりの演出を可能にする部屋が作れると思います。


光は自律神経にも大きな影響を与えます。よく朝日で体内時計をリセットするといいますが、同じように夜になったら、ほの暗さで体内時計をリセットすることも大切だと思います。
こうして作ったオリジナルの明かりの中で好きな音楽でも流してゆったりと過ごせば、きっと心も頭も体も緊張がほぐれてくつろげると思います。


»このいわしのツリーはコチラから


ミシュランコメント

これまでの「明かり」をめぐる語らいを活かしつつ、光が心身に与える作用をふまえながら、くつろぎ照明を多角度から考察されたメッセージに感激。特大のを贈呈します! 「夜のくつろぎスペースとして最適な照明レイアウト」プランの素晴らしいこと。ペンダントライトやフロアライト、間接照明を組み合わせた、美しい表情もあるリラックス・ライティング。これを基本に、空間や時間に合わせて調節すれば「オリジナルの明かり」づくりが楽しめるわけですね! 視覚をやさしく遮る「部分照明」も、ベッドサイドでのひとときでくつろぎを実感しているのですが、これからはもうワンランク上の照明に挑戦してみたいです!