「サビタの季節」by id:sumike


冬には木々は葉っぱを落とし、草も枯れてしまったり、
植物はほとんどの植物が活動をしていない様に思われがちです。
でも注意深くあたりを見回してみると春に花咲く草達が、葉っぱや株を着々と増やしていたり、
緑色だった葉を赤や紫に染めながら寒さを乗り切ろうとする様子が見られます。
私は最近、春から秋の季節以上に冬の方が植物達がたくましく生きているんだなぁと感じますね。



ところで冬に見かける、この褐色のアジサイの様な花・・・これはノリウツギの花です。
 アジサイにそっくりですが、それもそのはず、同じユキノシタアジサイ属なんです^^
ノリウツギは春の若葉、夏の濃い緑の葉、それに白い清楚な花、さらに、
この白い花が夏から秋へと季節が移っていくのに従い、褐色に変わっていきます。
この花のことを「鉄錆の色」とかけて、「サビタ」と呼びます。
ノリウツギは内側の細かな花は実になるけれど、
外側の花は散ることなくそのまま自然のドライフラワーになっちゃいます。
冬の里山にひっそりと咲く花と言った所でしょうか。
以前北海道を旅行したときに阿寒湖遊覧船でガイドが湖畔に咲くサビタのお話をしていました
この花にまつわるユニークでちょっぴり悲しい昔話です。
とある村の若者から、求婚された娘が「このサビタの花が散るときがきたら…」と返事をしました。
若者は楽しみにサビタが枯れ落るのを待っていたら冬になっても花は枯れ落ちることはありませんでした。
まぁ、遠まわしに振られちゃったということなんでしょうが、
旅先で聞くとなんだかロマンチックだなぁと思いますね。
 夏に真っ白な花を咲かせたノリウツギ
今は冬の寒さに堪えながら
それでも冬のオブジェとして美しく森を飾っています。
ウィンター・オブジェのサビタです。


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