「火鉢と料理を囲んでホットタイム」by id:momokuri3


わが家で火鉢を使い始めたのは以前書かせていただいた通りですが、
http://q.hatena.ne.jp/1257742340/239880/#i239880
これがすばらしいホットタイムをわが家にもたらしてくれました。特にみんなで火鉢を囲みつつ、おいしい物を作って食べるのは、お腹も心も満足の最高のホットタイムです。


まずこちらのいわしで話題になった五平餅。

新嘗祭には新米で五平餅を作る」id:vivisanさん
http://q.hatena.ne.jp/1227070380/192844/#i192844


炭火を熾したら、これを作ってみない手はありません。詳しい作り方も書き込まれていたので、さっそくやってみました。クルミ赤味噌も買ってきて、準備万端です。串は平たいアイスの棒みたいな物の方が食べやすいかと考え、竹を削って作ってみました。竹素材が手持ちにあったのもイエはてなのおかげです。
まずタレ作り。クルミを刻んですり鉢に入れてすり潰し、ゴマを加えてさらにすりました。いい香りが食欲をそそります。
ちょっと余談になりますが、今まで私はクルミというと洋菓子材料のイメージがありました。でも去年の秋にやった「お実見ツアー」で山にたわわに実っていたクルミの木を見てから、これは日本の伝統の味の一つなんだと認識を新たにしました。クルミはなんと縄文遺跡からも見つかっていて、平安時代中期の律令に関する文書の一つである「延喜式」にも記載されているとのことです。本当にクルミは日本の伝統の味の一つなんですね。
すてきな香りとこんな会話を楽しみつつ、すり鉢に赤味噌、砂糖、味醂を加えて家族みんなで味見。おー、と歓声が上がりました。タレはばっちりです。
ご飯を半づきにして手製の専用竹串に小判型にまとめ、さっそくいい具合に炭火が熾っている火鉢の上に乗せました。おっと、火力がちょっと強すぎたようです。五平餅をちょっとどけで、真っ赤に熾っている炭を少し灰に埋めて火加減を調節。再度焼いていきました。ジックリと焼いていい焦げ目が付いてきたらタレを塗ってさらに焼きます。炭火の暖かさに香ばしい香りが合わさって、これはすばらしいホットタイム。
父が結婚前に母と行った遠距離デートの話をしはじめました。紅葉が見たいと言うので車を飛ばして久々野まで行ったんだよ、途中のドライブインで五平餅を食べたなぁ、あの時母さんは肩ぐらいまでしかない髪をポニーテールにして、リボンの方が長かったなぁ、だそうです。お父さん、炭火を前にその話はいささか熱すぎますw。
一度に3本を焼いていますので、私は均等に焼けるよう、焼き加減を見ながら裏返すとともに、時々3本の位置を入れ換える係です。焼けました!みんなで五平餅にかぶりつきます。お、おいしい!私も何度か高速のサービスエリアやドライブインで食べたことがありますが、この手作り五平餅はその記憶以上のうまさでした。炭火を囲みながら炭火焼きの五平餅。手作りでこんなにおいしく出来たという興奮もホットでした。


火鉢は煮物にも最適です。おでんをやってみました。炭火でコトコト長時間煮込んでいくことを前提に、この時はわが家のいつもの蕎麦つゆのようなおでんのダシではなく、昆布ダシを利かせた薄味でやってみました。火鉢の炭火を囲みながら和やかな談笑が続きますが、本音は早くおでんの鍋に手を伸ばしたい気持ちでいっぱいです。しかしミカンなどを食べながら、がまんがまん。
さぁ食べましょう。ダシを利かせた薄味のつゆに種の旨味がじっくりと染み出して、こんなにうまいおでんの大根を食べたのは初めてでした。手作りつゆでコンビニのおでんのようなケミカル風味も無し。母もちょっとお酒を飲んで桜色。父はそんな母を熱い視線で見守っていました。これも炭火を前にしてはホットすぎますw。


五平餅作りで赤味噌を買ってきていたので、それを使って具だくさんのお味噌汁も火鉢で作ってみました。炭火の遠赤外線でじっくりとに込まれた根菜類から溶け出す甘味が赤味噌と溶け合って絶妙のコク。味噌は甘味の少ない八丁味噌でしたが、この時初めて八丁味噌の本当の旨味を知った気がしました。中部味噌文化恐るべしです。


こうしてわが家の火鉢は、すっかり家族の中心となりました。なお、火鉢の五徳は小さいことが多いので、鍋などを安定して乗せるには、通常より大きめの五徳が必要かと思います。新しく五徳を買うなら、大きめの物を選ぶと安心です。


そうそう。火鉢の手持ちがない皆さんに、すごい火鉢の手作り法をご紹介します。こちらをご覧ください。
http://lifatokushimatyuuou.betoku.jp/article/0127460.html
素焼きの大きな植木鉢を芯にして、その周りを耐火モルタルで塗り固めていくというアイデア自作。強度を植木鉢が、耐火性・耐熱性を耐火モルタルが担うということですね。強度を担当する植木鉢に割れのないしっかりしたものを使えば、かなり実用的な火鉢になりそうです。火を熾して使っている最中にパカッと割れたりしたら一大事ですが、こうした工作に自信がある人にはお勧めできるアイデアかもしれません。残った耐火モルタルは、密閉できる縦長の金属缶の周りに塗って、火消し壷の自作にも使えます。
このほかは、ヤカンなどを乗せる五徳(溶接機があれば自作可能、ただし十分な重量を持たせて安定性を良くしてください)、炭火を熾す火起こし、灰ならし、火鉢、万が一に備えての窒息消火が可能な消火器などを用意しておけば準備万端です。


中に入れる灰に舞い上がりにくい良質な物を、使う炭もパチパチと跳ねない国産の良質の固い炭を、定期的な換気と防火の備えを万全に、といった注意を守れば、皆さんのイエでも炭火を囲んだホットタイムが楽しめると思います。炭はカーボンニュートラルなエネルギーでCO2排出量を削減するにも最適ですから、この地球を守ろうとする熱意もホットです。


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