「かげまつり」by id:asukab


菊酒、登高、着せ綿、栗の贈答など、不老長寿を願う重陽節句にはいろいろな習慣がありましたが、残念ながら今では忘れられてしまっていることが多いようですね。その中のひとつが、「かげまつり」。京都で守られていた行事で、新暦になった明治以降は廃れてしまったそうです。
この9月9日に簡単なひな飾りをしたという習慣――春を待つだけのお雛さまに菊の美しい秋を見せてあげるのも、「いとをかし」の世界に通じるかなと思いました。いわれはどんなことがきっかけだったのでしょうか。人形の虫干しの意味もあったのだろうかと、いろいろ思いを巡らせました。


「かげまつり」のことは本で知ったのですが、調べてみたら次のような記述がありました。↓


重陽節句-アラカルト|吉浜人形-五月人形・ひな人形(雛人形)・各種人形


(以下、引用)
古来より、「後のひな」という風習は盛んでした。『俳諧歳時記栞草』や『滑稽雑談』という文書には、3月3日と同様に9月9日にも子どもが多くおひなさまで遊んでいることから、「後のひな」という言葉が秋の季語として登録された、と書かれています。健康長寿を願う重陽節句と、厄払いをするおひなさまは相性がピッタリだったのでしょう。また、この時期におひなさまを飾ることは、ちょうど虫干しを兼ねることにもなり、おひなさまのためにもとても良いものとなっています。


「豊かな生活と健康を祈願して、おひなさまを飾る習わし」が、復活されるといいですね。重陽節句は、その昔、もっとも御めでたい節句として老若男女みんなでお祝いしていたと言いますから、再び伝承がよみがえったら、それこそ心豊かな社会への一歩になるかもしれません。


»このいわしのツリーはコチラから