イエ・ルポ #031 PickUp3



みなさまこんにちは、ハザマです。今週のはじめに、心躍る小さなコトが二つ。一つは、屋上のゴーヤに実がつきました!まだチビチビですが、自分で育てて実をならせたのは生まれて初めてです。もういいだろ、っていうくらいスナップ撮りました(笑)。そして同じ日、初セミの声を聞きました。毎年、セミの声が聞えるとどうしてこんなにうれしいんでしょう〜。太陽いっぱいの夏は大好き。やっぱり童心に帰るんですね(^^)。
さて、今日は子供心が詰まった“イエ・ルポ”#031「子供の頃の家の思い出」のピックアップ賞のご紹介です。みなさんそれぞれに懐かしい思い出から、やったやった!というお馴染みの遊びまで、今回はいつも以上にいきいきと楽しいルポばかりでしたね。今回もお泊りいわしまでたくさんのご投稿をどうもありがとうございました!

イエ・ルポ #031 ピックアップ賞

#031では「あなたの子供の頃のイエの思い出」のテーマでご投稿頂きました。
盛り上がったツリーには、「夏の夕方はお花と子どもに水やりをする母」「机の引き出しは四次元空間」「体育の課題の特訓…」「ベッドでトランポリン」「壁の落書き」「柱の傷で身体測定」など…初めての学習机や逆上がりの練習も懐かしかったですねー。そして「箒でエアギター」「狭い部屋で銀弾鉄砲」「天井の梁にロープをかけてターザンごっこ」「お座敷サッカー」など家での遊びのエピソードがたくさん。また「練炭火鉢」や「五右衛門風呂!」「縁側」「畳の香りと古時計の音」「木の雨戸」「いろりで料理」「夏の暑い夜に蚊帳の中で」といった昔の家の記憶、さらに「一緒にお風呂」「母が作ってくれた料理ノート」「手作りの楽しさを教えて続けてくれた父との思い出」などご家族との思い出もしみじみ読ませて下さいました。あと、「折込みチラシでできたマイルーム」や「押入れの上の部分をベッドがかわりに」という子供ならではの空間も楽しかった!
ピックアップ賞には、今回も選びたいのがいっぱいだったのですが、ツリーでも大いに盛り上がった「障子に穴を開けて気分爽快」と、素晴らしいメルヘンの世界!「父の創作子守り童話」、そして今も残る思い出の跡「模様の違う型板ガラスの窓」を選ばせて頂きました。
私は「かぎ付き冷蔵庫」っていうのもとても気になりました。そんなのがあったんですね。脱水が付いていない洗濯機で、ローラーでクリクリ回して水を切るのは覚えてますけど…古い!(笑)みなさんは今回、どのルポが印象的でしたか?


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「障子に穴を開けて気分爽快」by id:odorukuma


障子の張替えの時に、思いっきりぶち破ると気分爽快になります。
子どもの頃、祖母の家に住んでいた事があるのですが、
自分の家にはない「障子」にひかれて、
気が付いたら穴を開けてしまっていました。
その時こっぴどく叱られたので、もうやるまいと反省しました。
それからしばらくして「障子に穴あけていいよ」と言われた時は嬉しかったな〜。張替えをするのも楽しいですし、ピンと張った、まだ湿気を吸っていない、真っ白な紙は気持ちいいですね。


普段やってはいけない事をしていいと言われると、どうしてあんなに嬉しいのでしょうか(笑)
壊す前に、墨で絵を描いて芸術家を気取っていた事もあります。
気に入ったものは綺麗に切り取って残していたような気がするのですが、今はどこにあるのやら・・・
木枠からはがす時は、川に障子をそのままつっこんでました。
夏場の冷たい川の記憶が蘇ります。


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「父の創作子守り童話」by id:TinkerBell


子供のころ、金曜と土曜の晩は特別でした。パジャマに着替えてお布団で待っていると、父がやってきます。当時私はとても寝相の悪い子供だったので、ベッドは無理と、ずっと床に敷いたお布団で寝ていました。だから寝る前、お布団の上では暴れほうだいです。
ひとしきり暴れたあと、電気を消して、父と私はお布団に入ります。二人で仰向けになって横になります。南に大きな窓があって、カーテンは開けたままになっています。
月の明るい晩などには、夜空を流れていく雲がはっきり見えます。私は息をひそめながら、父の言葉を待ちます。心臓がドキドキしてきます。直前まで暴れていたからではありません。これから始まる父の創作童話を、わくわくしながら待っているのです。

月がきれいな夜だね。あぁ、西の空から何かが飛んでくる。目には見えないよ。でも月明かりに照らされながらそっと目をつぶると、ほぅら、見えてきた。あれは西の国の魔法使いだ」
私は言われるままに目をつぶります。そして父の語ってくれる見知らぬ国の魔法のお話を聞きながら、いつの間にか眠っていました。
曇りの晩のお話は、たとえばこんな感じではじまります。雲がだんだん低く降りてくる。空と地上が近くなってきた。ほら、目を閉じて耳を澄ませてごらん。何かが降りてくる音が聞こえるよ…みたいな。すると、星の国から地上を見に降りてきた水晶のカケラたちのお話がはじまります。
雨の夜は、くっついたり離れたりしながら遊んでいる雨粒たちのダンスのお話。風の強い晩には、空を渡ってやってくる龍のお話もありました。
今まで見たことも聞いたこともない不思議な世界のお話。私は目をつぶりながら、その光景を思い浮かべます。子供なので、すぐに私は夢の中。お話の結末を聞いたことは一度もありませんでした。でも、続きはきっと夢の中で見ていたのだろうと思います。朝起きると、一晩不思議な世界で遊んだ充実感でいっぱいでした。
目が覚めると、小さな私は、父に手を引かれて眠い目をこすりながら朝の洗面に向かいます。それが終わると、大好きな父と一日一緒に過ごせる、すてきな休日のはじまりでした。


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「模様の違う型板ガラスの窓」by id:tough


わが家の居間には、型板ガラスのはまった窓があります。4枚続きの掃き出し窓なのですが、一枚だけガラスの模様が違います。
よく漫画で、ボールを窓にぶつけて割ってしまうというシーンがありますが、ガラスなんてそう簡単に割れる物ではないというのが私の考えでした。たまたま道を歩いていると野球のボールが転がっていたので、私はそれを拾ってきました。そして試しに窓に向かって投げてみました。そうしたら…。割れました。いかにも厚みがあって頑丈そうだと思っていた型板ガラスが、見事に割れてしまいました。予想ではポーンと跳ね返って、ほら、窓なんてそう簡単に割れるはずがないんだとなる予定だったのに、力を入れて投げすぎてしまったのか、ちょうどガラスのど真ん中に当たってしまったのがまずかったのか、とにかく窓は割れてしまいました。
今思うと、あのボールは硬球だったのでしょう。それを思い切り投げつければ、やはり割れますね。
私は慌てて逃走しました。そしてどきどきしながら夕方家に帰ると、窓にビニールが貼ってありました。母は、やーねぇ、近くにボールが転がっていたから、きっとそれで割られちゃったのよ、どこの悪い子かしらと言っていました。私はばれずに済んだと喜びましたが、やはり良心の呵責に耐えきれなくて、翌日くらいになって、ごめん、それ僕、と謝りました。
同じ型板ガラスはもう製造中止とかで、窓には一枚だけ違うガラスがはまりました。そのガラスは今でもそのままです。そして今でも時々、お前はガラスを割って逃走したと両親にいじめられます(笑)。


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