「オリジナル猫占いつき、わが家の猫の見送り風景」by id:YuzuPON


わが家の猫がしてくれる帰宅時の出迎えは以前書いたことがありますが、毎朝の見送りも、うちの猫は特別なやり方をしてくれます。夜は、家族の帰ってきた気配を察知すると、どんなに熟睡しているように見えてもサッと飛び起きて玄関で出迎え。まるで出迎えが自分の使命といわんばかりの気合いの入りようですが、これが朝にも発揮されるんです。


じゃ行ってくるよと玄関を出ようとすると、サッと猫が飛ぶようにやってきます。じゃあね、お留守番よろしくと手を伸ばすと、手の平に頬ずりをしてくれます。これは新婚さんにたとえたら、いってらっしゃいのチュッみたいなもの。猫好きさんなら誰でもお馴染みのお出かけ風景ではないかと思います。


うちの猫の気合いの入り方はここからなんです。バタンと扉を閉めて歩き始めると、猫は飛ぶように移動して、表の見える窓のガラスに前足を付けて伸び上がるんです。そして、いつまでもいつまでも後ろ姿を見送ってくれるんです。それはもう、後ろ髪を引かれてしまうくらいに。


いや、けっして独りぼっちにされて寂しいからじゃないんです。家には毎日、人一倍猫好きの母がいますから、寂しくて名残を惜しんでいるということはないでしょう。これもおそらく使命感なんです。家族を無事送り出す、それを見届けるという、まるで主婦のような使命感。これがうちの猫の特徴なんだろうと思います。


これに最近、オリジナルの猫占いが加わりました。それは、この猫の見送りの時、片手が上に上がって「いってらっしゃい」と手を振っているように見えたらその日は大吉、というものです。


私が最初にこのことに気付いたのは、会社で、有り得ないプロジェクトリーダーに抜擢されたことでした。その日の朝は、いつになく猫が窓辺で伸び上がり、片手を上げて、本当にいってらっしゃいと手を振っているように見えたのです。で会社に行ったら上司に呼び出しを受け、何か叱られるようなことでもしたかなと行ってみると、君、新しい名刺を作りたまえと。こんな若造に、肩書きが変わってしまうような重責が降ってきたんです。本当に驚きでした。


そうして任されたプロジェクトは難しい仕事で、毎日が綱渡りのような状態でしたが、不思議と朝、猫が手を振っているように見えると、どんな難関もスルリと乗り越えられるのです。その経験を父に話したところ「俺もだよ」との答えでした。なんと父も、猫の行ってらっしゃいにの片手上げに見送られて出かける日は、必ず仕事が好調だと感じていたとのことなのです。


こうして猫占いつきのわが家の朝が始まりました。しばらくは父と毎朝メールで「今朝は幸運の猫の手あった?」「あったよ」「残念、俺はなかった」なんていうやりとりをしていましたが、最近は幸運をもらうなら親子一緒にということで、別々にイエを出ていた時間を意識的に合わせることが多くなりました。当然、駅まで一緒、電車も途中までは一緒になりますから、猫のお陰で親子の語らいの時間が増えました。


さらに、あまりにいいことがあった時には、帰りも親子で待ち合わせをして、猫におみやげを買って帰ります。そんなただいまも楽しくなる、猫占い付きの「わが家のいってきます&おかえりの光景」です。


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