「おやすみ前のキスで眠りの精を呼ぶ」by id:Cocoa


子供は色々な理由で、夜、なかなか眠れません。たとえば夜遅くまでテレビを見ていると、もう寝なさいと無理矢理ベッドに押し込んでも、子供はなかなか寝付けません。これは光の動きによる刺激で神経が興奮しているからだと言われています。


楽しくて仕方がない時も、興奮してなかなか寝付けませんね。最近は小さな子供でもゲーム機を持っていたりします。「さぁ、続きは明日にしてもう寝ましょう」。「はーい」。こんな聞き分けの良い子も、ベッドの中で『つづきはあした、わくわくわく…』なんて興奮していると、寝ているふりをしていても、実はなかなか眠れていなかったりします。


昼間遊びすぎて疲れすぎている時も、逆になかなか眠れなかったりします。こういう時はその日の楽しかった出来事で興奮もしていますから、いっそう子供は眠れません。子供は成長するにつれて、行動が活発になるにつれて、色々な理由でどんどん夜更かしさんになっていきます。


私はまだ未婚ですが、結婚の早かった友達が、これでずっと悩んでいました。子供は5歳の男の子。
「わが家はオーレおじさんに見放されてるのよ」「オーレおじさんって?」、「眠りの精オーレ・ルゲイエ。寝てない子供の所にやってきて、まぶたに甘〜いミルクをシュッと吹きかけるの。そうするとどんな子供も寝ちゃうのよ、で子供が眠ると、おじさんは夢の中で色々なお話を語って聞かせてくれるの」、「それはいいおじさんだねぇ」、「うちにもそういう眠りの精がいてくれたらねぇ」。


友達は、それから色々なことを試していたようでした。オーレおじさんを呼ぶプロジェクトです。寝る前に甘いミルクを飲ませてみたり、枕元でお話を聞かせたり。でもなかなかオーレおじさん効果は得られなかったようです。


そんなある時、「まだオーレおじさん来ないよ〜」とメールが来たので、「私が読んだオーレおじさんの話では、ミルクじゃなく息を吹きかけてたよ」と返信したら、それがヒントになったらしく、みごとオーレおじさんを呼ぶのに成功したとのこと。その召還魔法は、寝る前のKissでした。


「息を吹きかけるくらいじゃ効果ないと思ったから、毎晩寝る前にお休みのキスをすることにしてみたの。そうしたらそれがだんだん条件反射になってきたのかなぁ。おやすみってほっぺにキスしてあげると、すぐ寝付くようになったのよ!」
これが後日届いたメールでした。


そんなこともあるんだと保育士の友人に聞いてみたら、たしかにおやすみ前の「儀式」を定着させるのは効果あるよとのこと。「おやすみなさい」と挨拶するのも、礼儀作法以前に、眠りに入っていく心の準備として大切なことなんだとか。寝る前の歯磨きも、歯の健康を守るのと同時に、寝る前の儀式としての効果が見逃せないのだそうです。外国の親子がよくやる寝る前のお祈りやお休みのキスも、信仰や愛情表現といったこと以前に、子供の気持ちを眠りに切り替える生活の知恵から生まれたものなんじゃないのかな、と言っていました。


私もその頃、仕事のことで頭がいっぱいで、ベッドに入ってもなかなか眠れないことが続いていました。さすがにこの歳になると、両親とキスしてから眠るわけにもいきません。そこで大好きなぬいぐるみに「おやすみ、ちゅっ」としてからベッドに入るようにしてみたところ、これが大人にも効果絶大。数日続けている間に私の所にもオーレおじさんがやって来てくれるようになったらしく、気持ちを切り替えてスッと眠れるようになっていきました。


お父さんお母さんのやさしいキスは、きっと子供の心を落ち着けて良い眠りを誘う、最高の魔法になると思います。後日また友達からメールが来ました。「うちの相棒(ご主人のこと)も子供とキスすると眠くなる条件反射が付いたみたいで最近早寝だよ」。あんたもネットで夜更かししてないで早く寝なさい。あ、私もか。皆様のイエにも、素敵なオーレおじさんがやって来てくれますように。



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