「海の日に森に行く」by id:TinkerBell


今年は梅雨明けが早かったので、きっと海の日はもう、すてきな海水浴日和となっていることでしょうね。
でも今年は国際森林年ですから、海の日には海の源流、山に行こうと思っているんです。
森のいっぱいある山。


NPO法人 森は海の恋人」という団体があります。
http://www.mori-umi.org/index.html
海を守るために森を育てている人々です。


最初、この活動は宮城県気仙沼市の、牡蠣やホタテの養殖を営む漁師さんがはじめたそうです。
牡蠣の食べ物は海水中の植物性プランクトンです。
牡蠣はあの小さな体で1日に約200リットルもの水を取り込み、吐きだし続けます。
こうして海水の中のプランクトンを食べて育っていくんです。
すごいですね。


でも高度成長期の70年前後。
突然海に異変が起こりはじめたんだそうです。
赤潮の発生です。


養殖場リアス式海岸の奥の方にありました。
河口の近くです。
赤潮の原因は海ではなく川にある!!
直感的にそう思ったそうです。
でも川の何がおかしくなったから海がおかしくなったのか、その原因はなかなかわからなかったそうです。


その後降って湧いた河口近くのダム計画。
川がだめになれば海もだめになると団結した漁師さんたちが、海の見える山に木を植える運動をはじめたのだそうです。


最初は、海を守るには川、川を守るには森という漁師さんの直感ではじめた植樹活動でしたが、だんだんその意義が科学的にも裏付けられていきました。
なんと、海の植物性プランクトンには、森の腐葉土が必要だったんです。


植物性プランクトンも植物ですから色々な養分が必要ですが、養分をとりこむためには、まずプランクトンの体の中に鉄分が必要なのでした。
でも、鉄屑を海に入れてもだめです。
植物には、植物が取り入れやすい形の特別な鉄分のかたちがあるそうです。
木の葉が腐って腐葉土になる過程で鉄イオンと結びついていくとそれができあがる、それが川を伝って海に入ってプランクトンを育てる、それを牡蠣が食べるという仕組みが自然界にはあったのです。


すごいー!!
こんなふうにして、海と森は大きな命の環でつながれていたんですね。
山の木々、そして山に住むたくさんの微生物も含めた小さな生き物。
それらが海の植物を、そして海の貝も育てていたんです。


きっとほかにも、山と海は色々な部分でつながっているに違いありません。
大地と海を結ぶ大きな大きな生態系。
それを実感して、山を守り森を守り木を守っていくことで海の自然を守りたいと思う日。
私は国際森林年の今年の海の日は、ぜひそんな日にしてみたいと思っているんです。
どこの山にしようかなぁ。


あ、それから、「NPO法人 森は海の恋人」の活動は今は全国に広がっているそうですが、気仙沼の本部は全壊で、大変なことになっているようです。
最初にこの活動をはじめられた会長さんもご家族を津波で亡くされたとサイトに書かれていました。
被災地の一日も早い復興と皆様の暮らしの再建を祈りつつ海を思う日にもしたいと思っています。


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