「光に透ける絵を描こう」by id:MINT


まず、「あぶらひかり」です。これは昔、凧揚げの凧の絵などに使われていた方法の一つで、たとえば武者絵の目の部分などに油を塗ると、そこがお日様の光を透かして光っているように見える、というものです。


これを応用した遊びを、子供のころにやってもらいました。まずお父さんが、白いコピー用紙のような紙に、鉛筆でにゃんこの顔を書いてくれました。目玉が大きくて、お口もニカッと大きく開けている、まんがに出てくるような猫の顔でした。


私に渡されたのは、黄色とピンクの油性マーカーでした。
「お目々とお口だけを塗ってごらん」
「はーい」


私が塗り終わると、お父さんは黒のポスターカラーマーカーで残りの部分を書き加えていきました。黄色の中に縦長の瞳を入れ、顔の輪郭を書いて、塗りつぶしていきました。黒猫さんです。


ちょきちょきちょき。ハサミで輪郭を切り抜いて猫の顔だけにして、それを両面テープで窓ガラスに貼り付けると…。うわぁ〜、目と口の色が鮮やかに光を透かす真っ黒にゃんこのできあがり!漆黒の中に黄色とピンクが浮かび上がって、まるでステンドグラスみたい!!私は飼っていた猫を連れてきて抱っこしながら、すごいね、きれいだねと、ずっとそれを眺めていました。


淡色の油性マーカーは、まるで油を塗った紙のように光を透かします。それに対して黒のポスターカラーマーカーは不透明で光を通しません。その対比が、すてきな光のサプライズを作り出してくれたんですね。


少し大きくなって、その経験を夏休み工作に応用しました。豆電球を使った電気スタンドのミニチュアです。まず真っ黒い画用紙のような紙をランプシェードの形の展開形に切り取りました。そこにカッターで三日月やお星様の形を切り抜き。裏から色んな色のセロファンを貼り、くるんと丸めるとランプシェードのできあがりでした。「あぶらひかり」とはちょっと違う作り方でしたが、色を透かして漏れてくる光の美しさをもう一度味わってみたくて、こんな工作をしてみたんです。


もう一つ、日本の行灯みたいな物も作りました。本の写真を見ながら割り箸で骨組みを作り、そこに和紙…というか習字用のお半紙を貼って、透明水彩絵の具で朝顔の絵を描きました。これの中にも豆電球を入れました。


夜、暗くなるのを待ってわくわくしながら点灯してみたら、どちらもすごくきれい!!色セロファンを通した光も、透明水彩を通した光も、暗闇の中で本当に美しく光りました。これらは今でも心に残っている工作です。


皆さんも、光に透ける絵を描いて、窓に貼ったり、豆電球…今の時代だと発光ダイオードなのかな、そういうのを入れた工作を楽しんだりしてみませんか。どんな紙に、どんな用具で色を付けるときれいに光が透けて見えるか、色々試してみてくださいね。和紙に本当に油を塗って光らせてもきれいです。


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