「パセリの日」by id:YuzuPON


料理の添え物や細かく刻んで香辛料的に使うのがパセリの定番だと思いますが、イエで育てようと種を買ってくると、一袋にけっこうな種が入っていますから、そんなちまちました使い方では余ってしまうくらい育ちます。


ある年、私がパセリの種を買って帰ると、以心伝心というか似たもの親子というか、同じ日に父もパセリの種を買ってきていました。それを全部播いたら、すごい量のパセリが茂りました。そこで、パセリづくしの料理をバリバリ食べる「パセリの日」を実施することになりました。パセリの花言葉は「お祭り気分」「祝祭」ですから、こういうイエ・イベントにぴったりです。


母も色々なメニューを考えて作ってくれましたが、種を買ってきた責任上、父も私も簡単な物を作ってみました。


父は和風に、パセリの胡麻和え。沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、パセリを入れて1分ほど茹でます。すぐに流水にとって冷やし、絞って水気をとり、すり胡麻と醤油をほぼ同体積、プラス適宜砂糖で甘味を加えたもので和えて出来上がりです。茹でることによってかさが減るので、栄養豊富なパセリがどっさり食べられ、しかも胡麻の栄養が加わるという、なかなか優れ物の料理です。


私はパセリのポタージュでした。ミキサーにパセリの葉と牛乳少々を入れて攪拌し、鍋に移して茹でジャガイモの裏ごしを合わせ、適宜の固さに牛乳で溶き伸ばし、固形スープの素、塩コショウで味を調えて出来上がり。緑色のきれいなポタージュが出来上がります。色よく仕上げるには、あまり煮込みすぎないのがいいみたい。スープ皿によそったら、生クリームでパセリをイメージした絵をサッサッサッと描いてテーブルに出します。これもパセリをたくさん食べたい人にはお勧めだと思います。


なお、パセリには可食部100gあたり120mgという豊富なビタミンCが含まれていて、加熱してしまうとこれがもったいないことになりますから、生で食べるサラダなども積極的に取り入れていくのがお約束です。同じく豊富なβ-カロテンは、加熱しても大丈夫です。

こんな各自の創意工夫で、大量のパセリをバリバリ食べるパセリの日。もちろんたくさん育っていますから、この日以外にもどんどんパセリを食べました。


こうしたことがきっかけでパセリ料理に興味が出て、家族それぞれ色々レパートリーが増えましたので、以来たくさんパセリを育ててはパセリの日イベントをやるのが、毎年の恒例になりました。


なお、パセリ育てのポイントはまず土です。酸性土壌ではうまく育ちませんので、元肥とともに石灰などを加えて中和して、1週間くらい寝かせた土に種を播いていきます。種まきの適期は春の暖かさが感じられるころから6月くらいまで。播く前に一晩水に漬けておく。好光性種子なので覆土はごく薄く。これが発芽率を上げるコツです。


小さな種ですが、密着して播きすぎると育ちが悪くなるので、ある程度の間隔を保って播きましょう。パセリは直根性で引っ張ると根が切れやすいですから、育って密集しすぎたからと植え替えようとしても、なかなかうまくいきません。


育てる場所は、半日陰でも育ちますが、やはりお日様がたっぷり当たった方が緑が濃く育ちもいいので、日当たりの良いところが適しています。ただし真夏の直射日光はきついので、真夏はちょっと遮光して半日陰ぎみにしてやります。


乾燥には弱いので、水やりは土の表面が乾いたらではなく、半乾きのところでたっぷりと与えるようにします。地植の場合は土の乾燥を防ぐために、地面を藁で覆ってやるといいですね。育ち方が旺盛なので、生育状態を見ながら、適宜液肥なども与えていきましょう。


パセリは二年草で冬越し出来ますが、5℃を割るとだめにしてしまいますので、地植なら土を藁などで覆って防寒用のネットをかける、プランター栽培なら北風が当たらない軒下や室内などに置いてやりましょう。冬は水やりを控えめに。生育が休止しているので肥料は不要です。なお、冬越しをした後の春には花が咲きますが、花が咲いた後は葉が固くなりますから、種を取らないなら花茎が出たら摘んでしまいます。でも、花を咲かせても楽しいですね。


と、こんな感じでパセリ育ては楽しいですし、育てたパセリで「パセリの日」イベントをすると健康的な食生活への関心も高まりますから(あ、パセリの花言葉には『役に立つ知識』というのもありました!)、あの匂いと味が苦手という人も、ちょっとだけでも自分で育ててみませんか。パセリはセリの仲間ですから、セロリなどと同じく、最初は苦手と思っていても、慣れるとなかなかヤミツキになります。もちろんパセリの日も楽しくてヤミツキになりますよ。


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