「勉強机とは別に作業机をもう一つ」by id:momokuri3


子供用デスクというと、たいていは勉強用。工作やお絵かきを思い切り楽しむには、ちょっと向きません。大人だってカッターで天板を傷つけてしまったり、誤って絵の具やインクをこぼして床まで汚してしまったりすることがあるのですから、子供ならなおさらです。


私も小さなころから工作好きでしたので、そんな失敗を何度もやらかしていました。そこで両親が用意してくれたのが、リビングに置かれた工作専用机でした。机といっても、幅の狭いカラーボックスのような物を2個離して置き、その上に21mm厚の合板を乗せて固定しただけの物。ささくれ立たないように合板の縁には一応サンドペーパーがかけられていましたが、加工といえばその程度。とても無骨な仕上がりでしたが、床には汚れてもいいように段ボールも敷いてもらって、「ここで思う存分好きにやれ」と言ってもらった時のうれしさ。両脇の棚には工作に使う色々な道具や材料を詰め込んで、そこが私の夢の実現場所になりました。


何よりうれしかったのは、勉強をする時に、いちいち机の上を片付けなくてよくなったことでした。工作は工作、勉強は勉強で別々の机ですから、作業途中の物はそのまま出しておけます。勉強が終わればすぐに工作の続きに取りかかれる。この自由さ、楽しさは、何とも言えないものでした。


ある程度学年が進んでくると、勉強は一人の部屋でないと集中できません。でも、私は工作の続きをしたさに、勉強が終わるとすぐリビングに。私のようなオタク系の子供が部屋に引きこもらなくて済んだのは、ひとえにこの机のおかげだったと思います。


大きくなってくると、何かと親と衝突することも起きてきます。そんなムシャクシャした気分の時は、好きなことをして気を紛らわすに限りますが、私の場合はそれが工作でした。プイと親に背を向けて机に向かっていますが、それでも場所は同じリビング。そのうち父や母が「すごい物が出来てきたな」などと声をかけてくれますので、それで私は上機嫌。
「わかる?ここが苦労したところでねぇ」
「おー、普通ならここをこうやって簡単に済ませる所だけど、難しいやり方をよく工夫したね」
両親共に物作り好きですから、私を喜ばせる言葉をよく知っています。こうして私は難しい思春期も、ひねくれることなく育つことが出来たんだと思います。


リビングですから、時には両親との共同作業もここで繰り広げられていきました。
「ちょっと仕事で使う資料の製本なんだけど、そこ使わしてもらっていいかな」
「うん、手伝うよ」
父がページを揃えて、私がホチキス止め。すると母がご苦労様とお茶を淹れてきてくれます。こんな簡単なことでも、リビングに作業机があると、すてきな家族の一体感が楽しめます。しかもそれが「私の机」で繰り広げられるのですから、満足感はひとしおでした。


学校の勉強に様々なものがあり、時には場所を変えて行われる教科もあるように、イエの机にも勉強机以外のものがあると、とても便利で楽しくなります。子供の趣味や好みによって用途や内容は異なってくると思いますが、もしもう一つ机が置けるようなら、ぜひ検討してみてください。手芸好きなら手芸専用机。読書好きなら読書専用机。様々な専用机が考えられると思います。それをリビングに設置すると、とかく閉鎖的になりがちな子供部屋の欠点を補うスペースにもなってくれると思います。


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