「忘れ物を無くするデスク周りの工夫」by id:Fuel


私は忘れ物が多い子供でした。明日は何々を持っていく。そう頭では思っていても、朝になるとコロッと忘れているのです。「君はまた忘れ物か、もっと注意力を鍛えなさい」。いつもそう先生に注意されていましたが、注意力って何なのか、どうすればそれが鍛えられるのかなんて、子供にはまったくわかりません。そこで、自分なりの工夫で、足りないと言われている注意力を補うことにしてみました。


まず机の横に、小さな台を用意しました。その上に大きめの平たい篭を置き、篭の中に風呂敷を敷きます。これが名付けて「忘れ物撲滅篭」。明日持っていくべき物は、気が付いた都度全てその篭に入れていきます。朝は、その篭の中身をカバンに移せば忘れ物が無くなるという作戦です。


これは大成功でした。篭に敷いている風呂敷は、朝寝坊などをして時間がなかったら、そのままごそっと風呂敷包みにして家を飛び出せば済むというアイデアです。大人になった私は今、和の風情を楽しみつつレジ袋などの無駄を無くするアイテムとして風呂敷を大いに愛用していますが、考えてみるとこんなふうに子供の時から風呂敷のお世話になっていたんですね。


もうひとつ、特大時間割表も作りました。余白に書き込みが出来る大きなマス目の時間割表です。これを額縁に入れて壁にかけるのが私のアイデア。こうすると、ガラス面にホワイトボード用マーカーで書き込みが出来るのです。何でも気軽に書けるので、たとえば次の体育はサッカーだ、寒いから手袋持っていこうなどと、必ずしも必須でない物も、思い立った都度書き込んでいけるようになりました。


前日になったら、この特大時間割表を見ながら、忘れ物撲滅篭にアイテムを装備。こうした工夫は、あたかもRPGで冒険に旅立つ前に道具屋に行って必要な物を揃えていくことにも似た楽しみをもたらしてくれました。学校には原則として勉強に必要のない物は持ち込めませんが、持っていって差し支えない物もたくさんあります。たとえばドングリやきれいな小石、昨日見に行ったんだぞと友だちに自慢できる野球のチケットの半券などなどなど。そんな物も思いつくたびに、忘れ物撲滅篭に入れていきました。こうしていつの間にか、忘れ物クラス一の汚名は挽回。翌日の持ち物をセットしていくのが、毎日の楽しみのひとつになっていきました。


この習慣は今も続いています。イエに帰ったらまず、毎日必ず持ち歩くべきポケットの中の小物類をデスク脇のトレーに移してから服を着替えます。もちろん忘れ物撲滅篭も健在です。さすがに大人になればめったに忘れ物なんてしなくなりますが、それでもデスク脇に設けられた翌日の装備を調えるスペースは、今も変わらない安心感と楽しみをもたらし続けていてくれます。


皆さんのご家庭にも、忘れ物の名人がいましたら、こんな工夫をぜひどうぞ。子供はきっと、注意力が鋭い子ほど、色々なことにアンテナが反応してしまうんです。だから、大人から見れば大切なことが、他の興味の中に紛れてしまう。その結果が忘れ物という形で現れてしまうだけなんだと思います。ちょっとの工夫で防げることなら防ぎましょう。そうすれば、子供の良さを素直に伸ばしてあげることができると思います。


»このいわしのツリーはコチラから