「動物愛護週間に、動物に関する本を読む」by id:Oregano


読書の秋、そして動物愛護週間。この二つが合体したら、9月の風物詩は「動物に関する本を読む」。私は毎年この時期に合わせて、そんな読書をしています。本が好き、動物も好き。そんな皆さんにもぜひお勧めしたい、9月のスペシャルサプリです。


一口に動物に関する本といっても、その内容は様々です。
・動物を主人公としたり、動物と人との触れ合いを主題にした物語
・動物の生態や習性などを追ったドキュメンタリーや写真集
・動物のかわいらしさを楽しむ本
・科学的な視点から動物をとらえ、学ぶための本
・動物を飼うための知識や実技の解説書、よき飼い主となるための啓蒙書
・動物愛護や自然保護などの重要性を啓発する本
などなど、様々な本がたくさん出版されています。書店に行くと、小説のコーナーにも、写真集のコーナーにも、ドキュメンタリー・ノンフィクション、新書、文庫、実用書、児童書、絵本、はたまた専門書や法律のコーナーにさえ、動物に関する本が見つかります。ですから、本屋さんをくまなく歩きましょう。そしてたっぷり「書物の森」を散策した後、これはと思う本を選びます。さぁ、今年はどんな本と出会えるでしょうか。


先日、もう待ちきれなくなって、一冊買ってきました。ご紹介しましょう。絵本です。


ワウシュヴィッツ

ワウシュヴィッツ


今年出版されたばかりの新しい本ですね。タイトルは、ちょっと見ただけでは何の意味かわかりませんが、あの「アウシュビッツ」と似た言葉だなぁということはわかります。そう、これは、私たちが日頃知っていながら目を背けている現実を取り扱った本なんです。でもこの本は、ただやりきれない思いを突き付ける本ではありません。優しい絵柄のページを通して、少しずつ私たちの目を開いてくれる。そんな本です。


ジャンルは絵本ですが、出版元のサイトでは、児童書とは別の所に分類されていました。つまりこれは、大人にこそ読んでほしい本、ということですね。お子さんが読む場合は、まず大人が読んでからお子さんに渡す、あるいは一緒に読むなどして、読後の語らいを大切にしていただきたいと思います。ただこんな現実があるんだと心を沈ませて終わるのではなく、私たちがどう変われば動物たちの運命を変えていくことができるのかという、希望の芽を膨らませる読み方をしていただければと思います。そして一言、この本はワンちゃんの本だけど、猫も同じなんだよ、と言葉を添えてください。今年の9月に、イチオシの本です。


去年買った本の中には、こんなのもありました。


アメリカ動物診療記―プライマリー医療と動物倫理

アメリカ動物診療記―プライマリー医療と動物倫理


これはアメリカで活躍する日本人の女性獣医師が書いた本。アメリカの動物に関わる事情が、とてもよくわかります。まずこの本の第一章は、「アメリカ動物生活事情」と題して、アニマルポリスの話からスタートしていきます。そして最後の第四章では、「これからの日本の獣医師像」と題して、日本の動物医療に対する提言で締めくくられていきます。アメリカの動物事情を通して日本の動物を巡る諸問題が見えてくる本。動物に関する幅広い話題に興味と関心がある人にはお勧めです。


最後に、ネットで読めるWeb絵本を一つご紹介しておきましょう。
http://moru.art-studio.cc/kegawa/omote.html
フリーイラストレーター、日向あいさんが書かれた「け と かわ」という題の作品です。ウサギやアライグマ、キツネ、アザラシ、ミンク…。色々な動物たちが「ぼくらのフモフモ 取らないで」と語りかけてきます。さぁ、何のお話でしょう。


動物愛護週間の9月に合わせて、色々な動物に関する本。どんな本でもいいですから、まず何か一冊、紐解いてみてください。いい本だなと思ったら、ご家族にもお勧めしてみてください。そして動物愛護週間が始まったら、各地で開催される色々な催しも、ちょっと覗きに行ってみてください。そこからきっと、家族のコミュニケーションも深まります。


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