「8月は夜空を見上げる」by id:TomCat


今までも何度も取り上げられてきましたが、8月の風物詩と言えば、何と言っても星空観察です。夜風を楽しみながら庭やベランダで、あるいは休みを利用して出かける美しい大気の下で楽しむ夜空は最高です。


【1】スター・ウィーク
まず毎年8月1日〜7日は「スター・ウィーク」(主催:同実行委員会、後援:国立天文台、協力:環境省大気生活環境室)。この期間に合わせて、全国でたくさんの協力イベントが開催されます。
http://www.starweek.jp/index.shtml


皆さんが個別に行う星空観察には、同オフィシャルサイトからダウンロードできる、2010年用「星空探検ブック」「夏の星空案内リーフレット」がお勧めです。
http://www.starweek.jp/2010/doc10.html


【2】全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)
また、今年は7月31日から8月13日まで、「全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)」の夏期観察も実施されています。これは環境省が呼びかけて全国各地で一斉に星空を観察し、光害や大気汚染などの状態を把握する資料としていくもの。昭和63年から、毎年夏冬の2回ずつ実施されています。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12728


環境省では、この星空継続観察に、大人だけでなく子供たちの参加も呼びかけています。毎年実施されますので、ぜひこれを皆さんのイエの風物詩、恒例行事として定着させていきませんか。ご家族で夜空を楽しみつつ、環境保護のための貴重な資料収集にも貢献。もちろん観察は皆さんそれぞれのマチで行いますから、星を見にわざわざ遠出をする必要はありません。星の見えにくい市街地の住人でも参加できる、意義有る星空観察です。
http://www.env.go.jp/kids/star.html


【3】ペルセウス座流星群
続いてご紹介するのは、夏の夜空を彩る夜空の一大風物詩、「ペルセウス座流星群」です。毎年8月12〜13日ごろはこの流星群が最も活発な期間。流星群の出現に合わせたスペシャルイベントもあります。それは今年4回目年目となる、国立天文台が開催する、ネットを使った「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーン。8月11日夜から15日朝までの期間に15分間以上星空を眺め、見えた流星の数を報告するというもので、携帯用の報告ページも用意されるそうですので、ぜひ皆さん参加してみてくださいね。
http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20100811/


さて、どのくらいの流星が見えるかについてですが、ペルセウス座流星群はハズレが少ないのが特徴で、ほぼ毎年決まって、たくさんの流星が出現するんです。一番見やすい極大直前の明け方あたりなら、2等星までしか見えないような都市部でも1時間に3〜5個程度は見えますし、4等星まで見える郊外なら 1時間に12〜15個程度。6等星まで見える降るような星空なら、1時間に50個以上の流星も夢ではありません。これだけ流れ星が見えたら、もうお願い事し放題ですね。


流れ星の出現位置については、ちょっと知識があると、ペルセウス座γの近くに放射点があるからと、そちらばかりを眺めたりしがちですが、放射点近くに見える流星は大気に対して直角に近く突入しているので、あっという間に消えてしまいがち。


長く軌跡を保って観察できるのは、大気をかすめて流れていくような流星ですから、その軌跡は全天に広がっていくんです。したがって、この流星群を眺めるのに、難しい知識は必要ありません。ペルセウス座の位置が分かれば、今流れた星がペルセウス座流星群のものだったか、それ以外の流星群に属する流星や日常的に見られる普通の流れ星(散在流星)だったかの見分けが付く、というだけの話です(ただし前述の『夏の夜、流れ星を数えよう』キャンペーンに参加する場合は流星の識別が必要ですから、ペルセウス座γの位置は把握するようにしてください)。


見ごろは、放射点の位置が高くなってくる21時以降から。特に今年のこの期間は月齢に恵まれ、もうこの時間帯には月が沈んでいますから、天候さえ良ければ、流星観測に最適な年となっています。


また前述のように、放射点の高度からすると夜明け前が一番見やすいですから、夜更かしして観測するより、うんと早起きして観測する方がいいかもしれませんね。そうすれば、夏の美しい夜明けも楽しめます。


【4】本当の七夕
さて、最後は旧暦で祝う「本当の七夕」です。今年の旧暦七月七日は、新暦で言うと、ペルセウス座流星群まつり(笑)が終わる8月16日。新暦の七夕は梅雨の真っ最中ですから、天候の関係で夜空が見えないことが多いですが、旧暦なら天候に恵まれる可能性大。さあ、「夏の大三角」を探しましょう。


夏の大三角は明るい星なので、市街地でもきっと見えるでしょう。その中のこと座αのベガが織り姫様、わし座αのアルタイルが彦星様です。


そしてもう一つが、はくちょう座αのデネブ。はくちょう座は大空に羽根を一杯広げた形をした巨大な星座です。もしかして織り姫と彦星のメッセンジャーを務めてくれている星座なのかもしれませんね。


こんなふうに、夏の夜空には、様々な楽しみが満載です。皆さんもぜひ星空を眺めて、夏の夜を楽しんでください。遠く離れている家族とも、同じ夜空を見上げながら過ごせたら素敵ですね。


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