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子どもと木との新しいかかわり方として注目されている「木育」
まだ耳なじみのない言葉かもしれませんが、木育とは2004年に北海道で新しく生まれた言葉で、
人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むこと、だそうです。
しかしそういわれても、大仰でちょっとわかりにくいですよね。
子どもをはじめとするすべての人が木とふれあい・木に学び・木と生きるということ。
まずは、のんびり森や公園を子どもと一緒に歩いて木を愛で、みそ汁は木のお椀によそい、
木の椅子に座って本を読む。
そんな日々の暮らしを過ごすことが、わが家で簡単にはじめられる木育かなと思います。
木には、触れたときの柔らかさ、温かさ、目に優しく映る木目の表情など
見たり触っているだけでなんだか心が落着くといった不思議な魅力があります。
そしてさらに木に魅力を加えているのが木の香りです。
一つの木に50種類以上の成分が含まれていて、人にとって良い効能がいっぱいあります。
その一つはストレスを軽減し、脈拍を安定させます。
木のそばで眠ると疲れが早くとれて、翌日の作業効率を上げることもわかっているそうです。
おまけに精神的な鎮静作用があり、これは現在ある薬では得られない心理的な効果もあるそうで、
その理由は木の香りに幼い頃の記憶など情緒的なものを連想させる作用があるからだそうです。
私はいつしか気づいたら木に登ったり、木と触れ合ったりしなくなっていましたが
子どもの頃には木にいっぱい触った感触をよく覚えています。
木に抱きついて耳をくっつけてみた事ってありますか?
木に抱きついて耳を当てると大地の音が聞こえてきます。
そうそう、木と子どもに関する不思議な話があります。
森や林など、木が沢山生えているところに子どもと行き、木の傍で目隠しをさせます。
そしてその目隠しした状態で近くにある一本の木に抱きつかせて木と触れ合ってもらい
また目隠し状態のまま同じ場所に戻ってから目隠しを取って
「今、あなたが抱きついた木はどれか分かる?」と聞くと、ほとんどの子どもが自分の抱きしめた木を
ちゃんと当てるそうです。
見えてなかったのに、抱きついた木を見つけられるなんて不思議だと思いませんか?
視覚が奪われた分、子供たちは他の感覚チャンネルが敏感になるそうです。
また木を探す過程で森の木のひとつひとつが個性を持っていることに気づき
視覚を通しては認識できなかったはずの自分の触った木がわかるんですね。
いつかわが子とも一緒に木当てを試してみたいなって思います。
いにしえより「木の国」と言われてきた日本。
これからも、もっと子どもと一緒に木を楽しんでいきたいです。