「動物を飼っていない人も〈ワンニャンハッピー〉の基本を身につけよう」
by id:Fuel


動物の毛でアレルギーが出る家族がいるわが家では、動物を飼うことができません。しかし動物を飼う事への興味はすごく強かったので、動物愛護週間に合わせて開催された、とあるセミナーに参加したことがあるんです。もちろん怪しいセミナーではなく、環境省や衛生局などが主催や後援をしている真面目なセミナーです。
そこで私が学んだことは、まず第一に、動物の飼育は科学であるということでした。正しい動物の飼い方は、生物学や獣医学や動物行動学などの中にこそ、その基本があるんですね。ですから正しい飼い方の基礎を学ぶことは、良くできた科学ドキュメンタリーを見るのと同じように面白いんです。たまにNHKなどでやっている科学ドキュメント番組。ああいうのが好きな人なら、きっと動物の正しい飼い方を学ぶことは、大いに知的好奇心を満足させてくれることでしょう。常識だと思っていたことが実は大変な間違いだったりすることも多々ありますから、そんなの知ってるよと言わずに、機会があったら学んでみることをお勧めします。
続いて、系統立てて動物の飼育を学ぶことは、人道を学ぶことにもつながるということです。以前、たしかイエはてなの中だったと思いますが、応急手当を学ぶことで生命の尊さを再認識した、というような書き込みがあったと思いますが、動物の飼育を学ぶことも、それと同じなんですね。飼育とは飼い育てると書きますが、その本質は「命を守る」ことにあります。自分に委ねられた命をいかにして守っていくかというのが飼育の本質ですから、正しい飼い方を学ぶことは、そのまま生命尊重の規範を身につけることにつながります。みんなが真剣に学んだら、犯罪も戦争もいじめも差別も虐待もなくなるはずと、私は強く思いました。
そして動物の飼育を学ぶことは、社会に対する責任を学ぶことでもありました。飼い主には、動物の命を守る責務と共に、動物の置かれている地位を守る責任があるんです。人間がいい加減な飼い方をしているために、汚ながられたり、うるさがられたり、危険視されたり、迷惑がられたりして不幸な目に遭っている動物が後を絶ちません。それらは、飼い主がきちんと動物に関する基本を学んだ上で、良き社会人としての責任を全うしようと心がけるだけで防げる問題です。
動物を飼っていない人も、飼い主の社会的責務を学ぶことで、いい加減な飼い主のどこを指摘して諫めるべきかがわかってきます。不快だ、迷惑だといった感情論をぶつけても、人の心は動かせません。基本がわかっていない人には、まず理路整然とした基本を説くことから始めるのが早道です。
このような理由から、動物を飼っていない人も、機会があったらぜひ」「ワンニャンハッピー」の基本を身につけてみることを、ぜひお勧めしたいと思います。毎年動物愛護週間の前後には各地でセミナーなどが開催されているようですし、古書店などで動物雑誌のバックナンバーを一年分くらいまとめて買ってくるのも役に立ちます。一年分くらい雑誌の特集をまとめ読みすると、かなりの知識が得られます。
動物を飼っていない者にとって、動物をかわいがるという接し方は無理ですが、動物を通じて学んでいくという関わり方なら可能です。動物とは縁がないと思っている皆さんも、知的好奇心の一環としてでOKですから、ぜひ「ワンニャンハッピー」の基本を勉強してみてください。楽しいですよ。そして人間性が一回り高まる感じがします。


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