「廃物利用で自然界の営みを科学する〈ペットボトル気圧計〉の実験」
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こんな天気予報グッズが売られています。

ザ・フロッグウェザーリポーター

ザ・フロッグウェザーリポーター

晴雨予報グラス

晴雨予報グラス

これらはトリチェリの水銀気圧計の原理を水に変えて応用したゲーテの気圧計をアレンジして作られた物で、ガラス管部分の水の動きで気圧の変化を見て、気圧が上がれば晴れ、下がれば曇りや雨と予測できるという製品です。
さて、イエコトミシュラン #040で「脱・ペットボトル」を呼びかけた私ですが、遊びに来た友人がペットボトル飲料を差し入れてくれ、久し振りにペットボトルが手に入ってしまいましたので、リサイクルに出す前に、これを有効活用してみようと思い立ちました。題して「ペットボトル気圧計」です。
原理は簡単。気圧が高まればペットボトルが押されてストローの水を押し上げます。気圧が下がればその逆となってストローの水は下がっていきます。実際にはボトルの中の空気の熱膨張なども加わりますからそんなに正確な物ではありませんが、寒暖の差が少ない季節なら、だいたい同じような時間帯に見ることで、前日との比較が出来ます。
作り方も簡単。ボトルのキャップに穴を開けてストローを差し込み、適当な接着剤などを流して密封するか、あるいは市販のストローキャップを使います。ストローとキャップの間に空気漏れが発生しないよう、うまく工作してください。
中に入れる水は、適当な物で色を付けておきます。前述の天気予報グッズでは食紅で着色するよう説明書きに書かれているようですが、それは誤って口にした時の安全性を考えてのことだろうと思います。タール系色素も摂取しすぎれば毒ですが、かき氷シロップ程度の色にしておくなら、食品でないインクなどを飲み込んでしまうよりは安全ですね。
こうした誤飲対策は、特に今回のような食品の容器を他の用途に流用する時には欠かせない配慮です。水の色付けには“必ず”、万が一飲んでしまっても安心な物を使ってください。短期間の実験なら、醤油や梅酢で色付けしても構いません。
ボトルに色水を入れ、ストロー付きキャップを取り付けたら、ストローに口を付け、ちょっと息を吹き込みます。すると水が上がってきます。これで完成。

しかしこうして見ると、ただの飲みかけのジュースにしか見えませんね。そこで温度計を添えて、色水の上下に対する気温の影響を考慮できるようにしておきました。
さて、これを使った観測データですが……。えー、これが完成してからというもの、うちの方は同じような天候の日が連続していて、今のところ評価のしようがありません(汗)。これから季節の変わり目を迎えるとまた天候がクルクル変わるようになってきますから、その時にまた観測をして、実用性を確かめてみたいと思っています。また、あまり考えたくないことですが、台風上陸時には急激な気圧の変化が見られるはずです。皆さんもこんな簡易気圧計で、大自然の営みの一端に触れてみてください。


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