「週末の夜は空想タイム」by id:MINT


就寝前のひととき、私は紙の上で空想に浸ります。絵の具のセットを広げ、紙の上に思うがままの絵を書いていきます。そしてその絵に空想のストーリーをつけていきます。
この前書いたのは、大きな半月の手前に、シルエットで浮かぶアラブ風の女の子。少女は半月刀の妖精です。長く戦いのために使われたその刀は、九十九年の歳月を経て、少女の姿の妖精を生み出しました。少女は戦うことを拒みます。
『妾は刀である前に鉄の石だった。悠久の時を土の中で眠る、土の精霊の一人だった。いつしか人は妾を掘り出し、赤く焼いて叩き、半月刀に姿を変えさせた。妾は我を失い、幾多の人々の命を切り裂き、血を吸ってきた。もう嫌じゃ、戦いとうない、土に戻りたい…』
すると月が語りかけます。
『そなたは罪を償わねばならぬ。この後は人の姿となって悠久の時を、戦いの中で彷徨うがよい。やがてこの地より戦いを消し去る者が現れよう。戦いが消え去りし時、武器の使命は終わる。そなたも罪より解放される』
こうして半月刀の妖精の、いつ果てるともわからない旅立ちが始まります…。
なんていう感じで、一枚の絵を書きながら、こんなストーリーを頭の中で思い浮かべます。それが絵本になるとか、まんがになるとか、小説になるとかはありません。絵はごく最近書き始めた自己流ですし、ストーリーも何のまとまりもない完全な空想です。いわば起きながら見る夢。夢の中で見る情景を紙の上に表現する。そんな感じです。
でも翌朝の時間を気にせず、伸び伸びと浸れる空想の時間。楽しいです♪


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