「対のモノ、一腹二卵の鳩の卵」by id:Catnip


鳩は一回の産卵につき、ほとんどの場合、卵を二つ産みます。鳩は卵を産むと、二つ仲良くきちんと並べて、その上に乗って温めます。一日に何度か抱いている卵を器用に動かし、満遍なく温まるように向きを変えます。これを転卵といいます。
鳩は夫婦の絆が強く、一度つがいになると、ほとんど相手を変えることがありません。この生涯連れ添う鳩の夫婦も、ほほえましい「対のモノ」ですね。そんな仲むつまじい鳩の夫婦ですから、雄も積極的に卵抱きに参加します。だいたい夜に卵を抱くのは雌、昼間が雄のことが多いようですが、夫婦一緒に巣に入って仲良く卵を抱いていることもあります。こういう姿が見られると、そろそろ卵が孵る日が近くなっていることが多いようです。
こうして雛が孵ると、また夫婦共同での子育てが始まります。生まれたばかりの雛は、ピジョンミルクと呼ばれる特別な餌で育てられます。もちろん鳥類である鳩が母乳を分泌することはありませんが、鳩は哺乳動物のミルクに相当する赤ちゃん専用食を、「そ嚢」という器官で作ることができるのです。親鳩はそれを吐き戻すようにしながら、口移しで雛に与えます。ピジョンミルクは雌だけでなく雄の「そ嚢」でも作られますから、鳩は夫婦交代で「授乳」していることになります。
これが鳩の出産・子育ての一端です。街に住まう鳩たちも、こうやって一生懸命子育てをしているんです。親の愛は人も鳩も変わりません。いかがでしょう。こういうことを知ってみると、人間の都合だけで邪魔者扱いする前に、同じ地球に生きる命同士、共存していく方法を考えたい、なんて思うようになってきませんか。
今は、地球の生物の中で、人間だけが浮いています。もっと私たちは、人間以外の生き物の生き様をよく知っていきましょう。そうしていけば、人間と、人間を取り巻く様々な生き物が「対」になって、共存共栄していける社会が作れると思います。


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