イエコト・ミシュラン

「湯沸かしタイプソーラークッカーの実験」by id:Catnip


以前「テーマは『太陽に吠えろ』のエコ自作名人」と言うことで、ソーラクッカー(太陽熱調理器)について紹介させて頂きましたが、その続編とも言える湯沸かしタイプのソーラクッカーを実験してみました。
友人が作っていたソーラクッカーは多数の反射鏡を使って太陽熱を集める仕組みでしたが、私は別のアプローチを考えてみました。集熱版で集めた熱を温室に閉じこめ、それで湯を沸かすというものです。これは反射鏡を配するタイプに比べて構造がシンプルで作りやすいという利点があります。
用意する物は、
・1リットルのペットボトルが2〜3本並ぶ大きさの発泡スチロールの箱
・箱の大きさに合わせたガラス板
・黒のつや消し水性塗料
・ガラス板を発泡スチロール箱に張り付けるガムテ
これだけです。
まず発泡スチロールの箱の内側を黒く塗装します。これが集熱板兼保温層になります。
中に水を入れたペットボトルを入れ、ガラスで蓋をして密閉状態にし、太陽光に対して直角に置いてやると、中の温度はどんどん上がっていき、57℃までの水温上昇が確認できました。真夏ならさらに高温が期待できそうです。これでパックご飯とレトルトカレーを温めれば、野外でホカホカのカレーライスが楽しめそうですね。あとほんのわずか温度が上がれば卵の凝固温度にも達して、ゆで卵も作れます。
反射鏡もレンズも使わずにこの性能ですから、これに反射鏡などを組み合わせればさらに高熱が期待できて、災害時の飲料水殺菌用などにも使えそうだと思いました。材料は全て廃物でまかなえますから、かなり実用的です。
また、農業用土壌の太陽熱殺菌というのがありますが、家庭での小規模な用土の殺菌にも、この発泡スチロール箱製集熱器が使えると思います。ただ日に曝すだけの殺菌に加えて高温による殺菌効果も加わりますから、連作障害や土壌感染型の病気が発生した時などに効果を発揮してくれると思います。