「節分には蕎麦を食べる」by id:momokuri3


昔は立春を本当の年始めと考えたそうです。今は12月31日に食べる蕎麦を年越し蕎麦と呼びますが、少なくとも江戸時代までは、節分に食べる物を年越し蕎麦と呼んでいたらしいのです。言われてみると、今でも12月31日に食べるお蕎麦は「晦日蕎麦」「大晦日蕎麦」などと呼び、年越し蕎麦とは区別する人がいます。私の知る範囲では、埼玉出身のご高齢の方がそうでした。
とにかくそのようなわけで、江戸っ子の正しい節分は蕎麦です。これに限ります。
最近ちらほらと節分蕎麦という商品を見かけるようになりましたし、「節分 蕎麦」で検索すると、社団法人日本麺類業団体連合会から、はてはおそば屋さんのご主人のブログまでヒットして、蕎麦に関わる人たちがこれから節分蕎麦をメジャーにしていきたいと願っている様子がわかりますが、節分蕎麦は昨日今日登場した新顔ではなく、長い歴史を持つ立派な日本の伝統だったんです。ただそれが明治以降長く忘れられていたというだけです。バレンタインのチョコと同じ業界の策略といった見方をする人もいるかもしれませんが、それは違うと言っておきたいと思います。
さて、具体的にどういう蕎麦を食べるかですが、これは12月31日に食べる蕎麦と起源が同じですから、盛りでもザルでもかけでも何でも有りだと思います。ただし、暦の上での冬の最後の日に食べる物ですから、春を待つワクワク感が表れているようなお蕎麦がいいですね。
数年前、2月の中旬ころに行った函館で春の蕎麦祭りのような行事をやっていて、参加各店が春を感じさせる新作メニューを提供していました。私が頼んでみたのは、雪解けのようにふんわりとした食感を表したというタチの天ぷらと菜の花の天ぷらをあしらったもので、雪深い北海道で春を待ちこがれる気持ちを表した店主の自信作とのことでした。おいしかったです。私も、そこまで本格的には無理ですが、何か春を待つお蕎麦を考案して、節分には家族に振る舞ってみたいと思っています。


»このいわしのツリーはコチラから