「お重の中の箸休め・タンポポのおひたし」by id:CandyPot


たんぽぽ大好きの私は、お正月のお重にも、たんぽぽさんに来てもらいたくてたまりません。ですから、こんな真冬ですが、たんぽぽを探して歩きます。使うのはもちろん、明治時代に野菜にする目的で輸入されてそれが野生化して広まってしまったという説もあるセイヨウタンポポです。セイヨウタンポポは冬でも花を咲かせる株があるくらいですから、日本のたんぽぽが小さなロゼットに縮こまっているこんな季節でも、けっこういい葉っぱを茂らせている株があります。そういう株を見つけて、一株につき一枚限定で葉を採取させてもらいます。植物の葉は太陽の恵みを受ける大切な部分ですから、特に冬は一枚一枚の葉がとても大切です。ですから取っていいのは一枚だけ。必要な量が貯まるまで、歩いて歩いて探します。
必要な量の葉っぱが集まったらよく洗って、たっぷりの熱湯に塩をひとつまみ入れて二分から三分くらい湯がきます。そしてすぐに冷水にとって、そのまましばらく水にさらして苦味を抜きます。あまりさらしすぎるとせっかくの風味が逃げてしまいますから注意します。そしてギュッと絞って食べやすい長さに切ればできあがりです。
調味は、普段ならお醤油をかけて削り節となるところですが、お正月のお重ですからちょっとお上品に、昆布と鰹節で取ったお出しで醤油を割って、食べる直前にかけていただきます。ほろ苦い春の味が、はつはるを言祝ぐお料理を引き立ててくれます。七草粥よりずっと早い春の味です。お豆腐を使って白和えにしたりしても、すてきな一品になってくれます。


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