2012.2.28


2月28日
うららかな冬の日に日時計もどきで〈お日様と一緒の読書記録〉を付けてみる」by id:momokuri3


子どもの頃、外で遊んでいると、季節によってずいぶん影の長さが違うことを実感したと思います。先日ふと晴れた冬の日の影の長さに気付いて、そういえばずいぶん自分の影を見ていなかったなと思いました。それまでは、それに気付く機会がなく、大切な季節感を一つ、見落としてしまっていました。


そこでやってみたのが「日時計」です。といってもただ窓際に紙を敷いて、棒を一本立てただけ。本当は、正確な時刻を指し示すためには、棒を緯度に応じて傾けなければなりません。でも今回は時刻を知りたいのではなく、影の長さを実感して楽しみたいだけですから、ごく単純にアルミホイルで台を作り、それに棒を真っ直ぐ立てて。窓際にこの即席日時計を置いて、傍らの椅子に座りました。コーヒーを淹れ、手には文庫本を一冊。あとは本物の時計と鉛筆を1本。


まず棒を置いた紙に映る影の先端に印を付けて、そこに時刻を書き込みました。そして本を一章読み、読み終えたらまた影の先端に印を付けて、時刻と読んだ章の題名を書き込みます。そんなことを繰り返しながら区切りのよいところまで読み終えると、紙の上には読書中の私を見守っていてくれたお日様の軌跡が記録されました。棒の長さと影の長さから太陽の角度も計算出来ますが、今回はそんな面倒なことはなしにして、日付と読んだ本の書名を記入して終わりにしました。


これを、春にも夏にも秋にもやってみたいと思うのです。観測の時刻はバラバラになるでしょうから、何の科学的資料にもなりません。でも、お日様に見守られながらの読書の記録としては楽しいと思いませんか。季節によって異なる影の様子を実感しながら、ちょっと少年時代の郷愁をそそるような本を読む。都会の中で固まってしまった心をときほぐす、なかなか素敵な休日のプランになると思います。