★★★(三ツ星)
両親が年老いてきて、自分も一時期病気で体が思うように動かなかった時期があったときに、改めて家の中をみると意外と使いづらいと思ったときがありました。そのときの事を思い出して、家具でバリアフリーの一助になるようなことはできないかと考えてみることにしました。
普通バリアフリーといって思い出すのは手すりをつけたり、段差にスロープをつけたりといった家の改造のことです。もちろんそれができるに越したことはありません。しかし、今回は家具の大きさや配置でそれにかわるものができないかと思いました。
自分の家をざっと見渡して、まず思うのは天井近くまでそびえている家具が多いということ。年齢を重ねると一般に背が低くなり、場合によっては車椅子生活になったり、あるいはそこまでいかなくても腕をあげることが億劫になったりします。
となると、できるだけ低い家具を使ったほうがいいのではないだろうか、ということを考えました。
そのアイデアが使えるかどうか、私は一冊バリアフリー住宅に関する本で調べてみることに。
- 作者: 高齢者住環境研究所,バリアフリーデザイン研究会
- 出版社/メーカー: 三和書籍
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 単行本
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するとここに私が考えていたこととは少し違いますが、低い家具についてのアイデアがありました。
それは、手すり代わりに低い家具を配置するということでした。
例えば、P60には寝室の配置図がいくつか載っていますが、家具は空いた壁のところに手すり代わりとして置かれています。
またP69に高齢者居室についてのコーディネートが載っています。それによると、茶の間と寝室がワンルームになっているのですが、その仕切りにローチェストを使い、茶の間側に食器入れを向けた状態にして、手すり代わりにしています。
それからP88には玄関についてですが、ここには
玄関収納:低め(ホールから約75センチ)の下駄箱は上がり下がりの時に手を付いて体を支えることができます。
と書かれていて、壁一面の靴箱では難しい手すりの役割を果たしてくれます。
さらに、これは低い家具ではないですが、上がり框に接してベンチを置くことを提案しております。
実際、家中に手すりをつけるということは現実的ではありません。手すりをつける代わりに収納スペースが欲しいですし、手すりばかりがたくさんあって目立つのも興ざめです。
70〜80センチほどの高さの家具が要所要所に配置してあれば見た目は普通の収納スペースでありながら、捕まるところがあるという点で低い家具を利用するアイデアに感心いたしました。
そこで、このアイデアを収納家具ばかりではなくて他の家具にも当てはめ、家の主だった家具の背丈をある程度統一してみたらいいのではないかと考えました。
名づけて「合言葉は70〜80センチ」
これはさきほど述べた手すり代わりに使う家具の高さのことです。
家の中で使われてる家具の高さをチェック。
例えばソファの背もたれ。この高さが70〜80センチだと、ソファの後ろを通るときにちょうどよい手すりになります。
それからダイニングテーブルの椅子の背もたれはどうでしょう。椅子とテーブルは座ってみて自分にぴったり合うようなものを選んだほうがいいですが、それ+背もたれの高さ。
先ほど書いたように玄関の靴箱ももちろんチェックです。
さらに寝室ではベッドの頭部分。ここも高さをそろえてみたいところです。
さらに、壁におくチェスト。収納はある程度犠牲にはなりますが、もし可能ならば思い切って壁一面に高さをそろえた収納家具を置いてみるのもいいです。
このようにして家にある家具の高さを70〜80センチに統一してゆきます。
こうして移動するときにはどこかの家具につかまって歩くことができる「家具の手すり」ができあがりました。
さらにバリアフリーに近づくために、家具そのものがバリアフリー仕様で作られているものを使ってみるのもいいかもしれません。
バリアフリー家具についての新聞記事がネット上にありましたのでURLを参考に上げておきます。
「バリアフリー家具を販売へ(1)家具の街大川で新しい取り組み」
「バリアフリー配慮「福祉家具」 机、食器棚など40種」
手を掛けなくてもバネじかけであく引き出しのたんすや、手すりがついた家具など取り入れてみるとといっそう使いやすい空間ができそうです。