リブ・ラブ・サプリ〜SEASON

SEASONサプリ賞
「梅雨の室礼(しつらい)」by id:TomCat


一部地域を除いては日本の代表的な季節の風物詩である梅雨ですが、梅雨にちなんだ行事というのはあまり聞きません。ですから梅雨時の室礼を考えようとすると、お手本になる例が少ないんです。でもだからこそ自由に、自分らしさ、そのイエらしさを表現していけるということですよね。それでは梅雨の室礼、いってみましょう。


まず生け花ですが、梅雨というとまず思い出すのは紫陽花ですが、私は紫陽花は他に使いたいので、恒例の母の月命日のお花には、花菖蒲を中心に使うことが多いんです。花菖蒲というと端午の節句、5月というイメージが強いですが、新暦で言うとアヤメやカキツバタが5月の花。花菖蒲は自然に咲かせるなら、ほぼ6月一杯が花の季節となります。ですから、梅雨のしとしと雨の中に咲く花菖蒲っていうのも絵になるんです。お節句にはスクッとした姿を生かした強い芯で勇ましく生けていきますが、この季節には、花の可愛らしさを生かした柔らかい感じで生けていきます。生け花という造形を意識せず、ラフな感じで花瓶に挿してもいいですね。イメージが湧かない方は、一度雨の日に花菖蒲を見に行ってみてください。


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