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落ち葉で布を染める話題がありましたが、木の実でも布が染められます。
まず栗。もちろん食べるために茹でた栗の煮汁でも染められますが、イガも染め物に使えます。イガを大きな鍋に入れ、ひたひた程度に水を注ぎ、火にかけて20〜30分ほど煮出せばOKです。鉄系の媒染剤を使うとシックなグレーが得られます。
ザクロも使えます。中身を食べて残った皮をせっせと貯めて、同じように煮出してください。なかなか染料にするほどは貯まりませんが、庭にザクロの木を植えている知り合いがいれば、皮の大量獲得は夢ではありません。椿灰で媒染したら、黄色みがかった優しいベージュに染まりました。
クサギの実は、数少ない青系の染料が取れる実です。クサギというのはクマツヅラ科の落葉小高木で、田舎行くと日当たりのよい場所に自生しているのを見かけます。葉を触ってみると異様な臭いがするので「臭木」と名付けられていますが、毒はなく、葉は食用にすることも出来ます。秋になると、赤いがくと青い実という独特のコントラストの実りを迎えますから、すぐクサギと分かります。
http://www.hana300.com/kusagi.html
やはり20〜30分ほど煮出して濾した汁を染料として用いますが、小さな実ですから、あまりたくさんは集まらないと思います。そこで、汁を濾したらまた実を鍋に戻して水を加え、二番煎じ三番煎じと色が出る限り煮出して、必要な量の染料を確保してください。クサギの実で染める場合、媒染剤は不要です。
なお、クサギは赤いがくも染め物に使えます。同じく煮出して使いますが、こちらは媒染剤を使ってください。
そのほか、クチナシ、ナンテン、etc.様々な木の実から染料が取れます。ある程度まとまった量がないと大物は染められませんが、少量なら和紙などを染めてみるのも面白いと思います。