イエ・ルポ 2

「7月10日 故郷を離れた日」by id:canorps


私も一人暮らしをはじめた日のことをよく覚えています。
実家から他県へと引っ越すため、荷物を小さなトラックへ載せて母と中央道をひた走りました。
母が運転していてくれていたのですが、突然母が「おかしいおかしい」
といいだしトラックは失速。高速バスの停留所へ。
私が見るとなんとガソリンが空!
私も悪かったけれど、運転の仕事の長いメイン運転手の母もなぜ気がつかなかったのか・・・
そんな恐怖のロングドライブをおえ8時間ほどかけて私の住むマンションへ。
荷物を運びいれ、次の日には仕事があるためにすぐ帰るという母は仮眠。
帰宅する前に母は私に封筒を渡してくれました。
「二つしか見つからなかった」
中には四葉のクローバーが二つ。
これから一人で知り合いの少ない土地に住む私のために
探してくれたのでした。
母子家庭で二人っきりの家族だというのに
私はずっと、母から離れたくて、それでこんなに遠い土地を選んだというのに
母は反対もせずに応援してくれて。ものすごくうれしかった。
いまでもそのクローバーを見るとあの日を思い出します。