「手作りカボチャを生かすエスニックレシピ、ソパイピージャの実験と製作」
by id:YuzuPON


カボチャは、種類によって異なりますが、開花後25〜50日で収穫期を迎えます。もう収穫を楽しんでいる家庭菜園も多いと思います。しかし今年は天候に恵まれず、走りのカボチャはちょっと甘味に欠ける感じですね。そこで、そのあたりも踏まえて、今年のカボチャを最大限に生かす調理法を考え、実験してみることにしました。
さて何を作ろう、せっかくだから何か変わった物にチャレンジしてみたいと同僚に相談した所、ソパイピージャはどうよ、とのアイデアをもらいました。これは南米チリのポピュラーな食べ物で、簡単にいえばカボチャを練り込んだ揚げパン的食べ物なのだそうです。チリの人たちは、なぜか雨が降ると、このソパイピージャが食べたくなるのだとか。
さっそく検索して調べて見ると、チリの人は揚げたままの物を食べることが多いが、ケチャップをかけ、マスタードや唐辛子系のペーストで辛味を添えて食べてもおいしいとのことです。これなら、やや甘味に欠ける今年のカボチャでも、十分美味しい物が作れそうです。
作り方はこちらのサイトを参考にさせていただきました。
http://www.e384.com/recipe/081007.htm
材料を引用すると、次の通りとなります。

■材料(12個分)
●小麦粉 500g
●ベーキングパウダー 25g
●塩 25g
●蒸かして潰したカボチャ 250g
●常温マーガリン 150g
※好みにより、牛乳を加えても良い。


このレシピのうち、マーガリンは全量をバターに置き換えました。マーガリンは脂肪分子の結合を人工的に変化させて、室温で固体を維持するようにしたものです。こうして作られるのがいわゆるトランス型脂肪酸という物ですが、この形の脂肪が体に悪いのです。
トランス型脂肪酸は、自然界で食物となる物にはほとんど含まれない、極めて人工的な形の脂肪です。ですから、これが体内に入ってくると、体はどう対処していいのか迷ってしまうらしいのです。そこで、毒性とは別の作用で、本来なら有り得ない結果をもたらして体を害してしまう。これが、毒ではないのに体に悪いと言われるマーガリンの正体だということです。
実際問題としても、金属触媒を用いて高温処理されて作られる油なんて、もはや工業製品の部類だと思いませんか。マーガリンは食べ物とは言えない。それが最近の私の考えです。
話を本題に戻します。まずカボチャを蒸かしますが、緑の皮は剥きました。剥いた皮は甘辛く煮付けて、晩ご飯のおかずにしました。
蒸かし上がったカボチャはボウルに取ってマッシャーで潰します。熱いうちにバターを加え、小麦粉、ベーキングパウダー、塩を振るいながら加えて混ぜていきました。最初はポロポロして、ちょっとこれ失敗じゃないかと思う状態でしたが、次第に馴染んで、いい感じの生地になってきました。
うどんなどの場合、ここでいったん生地を休ませます。チリ風カボチャの揚げパンの場合、その効果があるのかどうか不明でしたが、慣れない料理でくたびれたので休みたいという理由だけで、生地を休ませることにしました(笑)。
一時間ほどネットで遊んで、続きの作業を開始です。寝かせた生地を取り出すと、いい感じにしっとりしていました。寝かせた価値有りです。まな板に打ち粉をして綿棒で生地を伸ばし、厚さ3〜4ミリにして、パイナップル缶詰(3号缶)の空き缶を型にして円形に抜いていきました。ちなみに3号缶の内径寸法は 83.4mmです。
丸く抜いたらフォークで4〜5箇所刺して穴を開け、190℃の油で返しながら揚げて、両面がきれいな金色になったら完成です。
油の190度というのは、天ぷらを揚げる時で考えると、だいぶ高温の部類です。菜箸を入れるとジューッと全体から勢い良く泡が出ます。このように高い温度で揚げますから、かなり早い時間で揚げ上がりました。上がったら良く油を切って、アツアツの所を食べてみます。
感想は、我ながら大傑作でした。もう少し塩を入れてもいいかなという気もしましたが、今回のバランスも悪くありません。食感は、生地を寝かせたのが良かったのでしょうか、日本人好みのもっちり感が程よく出ていて、とてもいい感じでした。本場の人が食べたらどう思うのでしょう。
飲み物はネスカフェです。なぜインスタント?と思われるかもしれませんが、チリでコーヒーというと、ひたすらネスカフェなのだそうです。今回はカボチャの甘みを生かすため、ただインスタントコーヒーをお湯で溶いただけの「インスタントブラック」(w)にしてみました。うーん、チリの味(笑)。
ふと思いました。これはお祭りのメニューにいける!市民祭りに合わせてカボチャを栽培し、それを使って作る。生地はあらかじめ作って持ってくればよい。伸ばして型抜きして揚げて、はいお待ち、熱いですよ!!
今回は12個分のレシピで作りましたが、この10倍、120個なら楽勝です。市民祭りの模擬店で120個売れれば上等ですから、十分実現性があります。そのようなわけで現在、さらにカボチャの比率を高めてみたり、小麦粉の種類を変えてみたり、さっくり混ぜたりしっかり練ったりして、色々なバージョンを実験中ですが、自分で作ると全てに愛着が湧いて、全部美味しいと言いたくなって困っています。
カボチャは、細胞の老化を防ぐβ-カロテンは言うに及ばず、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化作用を持つ成分が豊富で、さらに腸を快調にしてくれる食物繊維もたっぷり。健康の維持増進に、そしてアンチエイジングにも最適な食べ物です。このように栄養豊富で、手軽に抓んで気軽に食べられるソパイピージャは、食欲の落ちる暑い季節にも最適な食べ物だと思います。家族にも好評でした。


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