「ご当地ラーメン食べ歩きの旅」by id:momokuri3


私は仕事の関係で日本各地に出向くことがわりとあります。そんな時、探すのはその土地独特のラーメン、いわゆるご当地ラーメンです。
まず北は釧路ラーメン。同じ北海道でも札幌ラーメンなどとは全く違う、カツオ・昆布・煮干しなど海の幸のダシが効いた醤油味でした。麺は極細。どこか懐かしい味のする北の果てのラーメンでした。
函館ラーメンは澄んだ薄味の豚骨ベース。強火で白濁するまで煮込む他の豚骨系とは異なる独特のスープです。麺も縮れのない独特の物ですから、ルーツは広東系の湯麺と推測されます。古くからの開港地として中国との交易が盛んだった函館の歴史が見えてくるラーメンです。
八戸には複数の種類のラーメンが混在しているようですが、その中で平仮名でらーめんと書く「八戸らーめん」は、八戸らーめん会という所が企画した地域興しラーメンです。ご存じ南部地鶏をふんだんに使い、さらに白銀産煮干しのダシを合わせた醤油味。さらに名川産の長ネギや田子産のニンニクなどの地元の食材を生かした、地元産品アピールラーメンとなっています。味的にはごく普通のラーメンですが、奇をてらわず、ベーシックなラーメンにこだわりつつ地元の特産品を生かした姿勢に、私は共感を覚えました。
栃木県の佐野ラーメンは、すっきりとした味の透き通ったスープが特徴の醤油ラーメンです。ダシは鶏ガラ。最もベーシックな、ラーメンらしいラーメンと言えると思います。自家製麺のお店の場合、アニメ「ミスター味っ子」のオープニングに出てきたような「青竹打ち」という独特な打ち方で、腰の強い麺作りをしています。
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新潟は上越中越下越でずいぶんラーメン文化が違うようですが、私が食べたのは中越地方の長岡系ラーメンでした。豚骨の比率が多いこってり系の醤油味。これは雪深い新潟の風土に合わせた物でしょう。しかしここに、そのしつこさを消す、強い生姜の風味を効かせるのが長岡風なのです。これは独特。また食べたくなる味です。ただし、お店によって生姜のきかせ方が違いますから、独特の生姜風味を味わいたければ、事前に各店の特徴を調べてから行くことをお勧めします。
そのほか一つ一つあげていくときりがないのでこのくらいにしておきますが、とにかく旅行に行ったらラーメンを食べる、食べたら感想を記憶が鮮明なうちにメモする、これを繰り返して全国制覇を目指します。楽しいですよ。
ラーメンには、戦後の食文化の背骨とも言える歴史の流れがあります。グルメではない、マニアでもない、日本各地の食を通して文化に触れたいという願い、それが私の「ご当地ラーメン食べ歩き」です。


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