「子供に命と自然の尊さを教える昆虫との触れ合いを」by id:YuzuPON


夏の子供というと、捕虫網とカゴを持った昆虫採集姿が思い浮かびますが、ちょっと待ってください。今や豊富な自然が残っていると思える地域でも、かなり生態系が狂い始めています。
「とっていいのは写真だけ、残していいのは思い出だけ」
というフィールドマナーの大原則は、子供さんの夏休みにも適用されます。とりわけご両親が一緒に行動する時は、ぜひ大人として、しっかりとした範を示していただきたいと思います。
昆虫との触れ合いの第一歩は、まず観察です。自然の状態での行動を観察することが大切ですから、手は出さず、目だけで観察してください。手は絵を書いたりメモを取ったりすることに使っていきましょう。
採取する場合は、昆虫の体を痛めないようよく注意して採取し、観察の後はすぐに放してください。基本はキャッチアンドリリースです。
特定外来生物を捕獲した場合は再び放してはいけませんが、昆虫の場合
コガネムシ科のヤンバルテナガコガネを除くテナガコガネ属、クモテナガコガネ属、ヒメテナガコガネ属
・ミツバチ科のセイヨウオオマルハナバチ
・アリ科のヒアリ、アカカミアリ、アルゼンチンアリ、コカミアリ
が該当するだけですから、普通はほとんど出会うことはありません。どんな虫でも、基本としては、観察が終わったら放してあげようねバイバーイ、とご指導いただきたいと思います。
標本を作るような採取をしたければ、あのしょこたんも集めているという「セミの抜け殻」採取がお勧めです。私も小学生のころから集め続けています。
・触角に毛が多く、茶褐色でツヤツヤしているのはアブラゼミの抜け殻。
・同じような大きさでも触角に毛が少なく、暗褐色でツヤツヤ感に欠けるのはミンミンゼミの抜け殻。
・小型で丸っこく、全身に泥が付いているのはニイニイゼミの抜け殻。
・小型で泥が付いていないのはヒグラシかツクツクボウシ。触角の第四節が第三節より長ければヒグラシ、第三節の方が長ければツクツクボウシの抜け殻。
といった種類の見分け方を憶えれば、生身の昆虫を集めるよりも楽しくなること請け合いです。町の地図の上に採取した抜け殻を置いていったりすれば、いい自由研究が出来るでしょう。
生き物の命を損なうことなく、自然を傷つけることなく、虫と触れ合う夏休み。それはきっと子供さんの心に、大切な宝物を残してくれると思います。


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