「せっかく買ったのにほとんど乗らなかった車」by id:Catnip


私の失敗は車です。私の場合通勤に車は不可、休日の外出も繁華街など車を置くのに困る場所に出かけることが多く、移動手段はほとんど電車でした。それでも車は生活の必需品、一人前の社会人の必須アイテムという意識がありますから、まずは何の疑いの心も持たずに、小振りな普通車の中古を買いました。そしてほとんど乗らずに車検を迎え、この際買い換えだと、一回り大きな車種に変えました。そして…。相変わらずほとんど乗らないうちに車検。維持費の大きさと利用頻度の低さに愕然としてしまいました。
それでも、車のない生活というのは不安です。そんな話を友人にすると、友人の考えは明快でした。
まず、軽にするっていう選択肢はないのかいと聞かれました。軽じゃちょっとと言うと、なぜ?軽じゃ不安な理由が何かあるわけ?と畳みかけられました。あれ、考えてみると、私はなぜ車がないと不安だと思っていたのでしょう。
友人は言いました。お前は必要性じゃなく、趣味の一環として車を持ちたかったんだよ、普通みんなそうさ、みんなファッションの一部として車を持つんだよと。
もちろん車がなければ生活に支障が出る人はたくさんいます。しかし私はそうではなかったということです。自分も車がなければ生活に支障が出る人なんだという思い込みがありましたが、それはどうやら違っていたようでした。
「趣味なら迷わず金を掛けろよ。それに躊躇があるとすれば、お前はそんなに車が好きってわけじゃないんだろうな」
そう言われて改めて考え直した結果、今の自分に車は要らないという結論になりました。ほとんど乗ってもらうこともなく車検を迎えてしまう車が可哀想で仕方なく思え、こんなことならもっといい人に可愛がってもらえるように思い切って手放そう、という気持ちにもなりました。
実際に手放す時には、やはり悲しいものがありました。しばらく前までは、車検を機会にまた買い換えるかと、やはりこの車を手放すことを考えていましたが、その時は手放すことその物には何の感慨もありませんでした。それがこんなに別れが辛く感じられます。最後の最後でやっと自分の車を愛することができたんだなと思いました。
今、私は全く車を使わない生活をしています。それで何の不都合もありません。私の場合は車を持っていてもほとんど乗ることがなかったので、それでCO2が削減できているなどということはありませんが、それでも排気ガスを出さない暮らしは気に入っています。ファッションの一部として車を持つなら、同じくファッションの一部として車を持たないという選択があってもいいと、今は思っています。


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