「自然を毒化しない、自然の生き物を殺さないガーデニングby id:Fuel


GW 前の休日、自分なりのGreen Week Actionのテーマを考えてみようとホームセンターの園芸コーナーに行ってみたのですが、あらためて店頭に並ぶ農薬や除草剤などの多さに考えさせられました。おびただしい量の毒物。これがみんな環境中に散布される。なんと恐ろしいことかと、ちょっと背筋が寒くなりました。
今や農業は、食の安全や環境への影響などを考慮した、減農薬化、無農薬化が一つの流れになっています。ところが趣味のガーデニングには、特設コーナーまで作って、これでもかと危険な薬物を使わせようとしているのです。
ガーデニングで毒を撒く。ガーデニングで自然の生き物を敵視して殺す。緑に親しむ人が増えるごとに自然が損なわれていく。そんなことになったら大変です。そこで私はGreen Week Actionのテーマとして、
「自然を毒化しない、自然の生き物を殺さないガーデニング
を追求をしてみようと考えました。
ネットで検索すると「自然農薬」などというキーワードでたくさんのページがヒットします。しかし、私が追求するのは、そうしたやり方とは違います。単に毒物を使わないだけでなく、できるかぎり自然の生き物を殺さない、共存していけるガーデニングを追求したいのです。本当に緑の地球を守っていくためには、そういうことが大切なんだと思います。「毒化しない」+「殺さない」ガーデニング。これが車の両輪です。
とりあえず今回は私自身がまだ入門段階ですから、図書館などで調べながら、既知の技法を試してみることから初めて見ることにしました。
まずガーデニングの大敵、アブラムシ対策です。これに草木灰が使えるとの情報を得ました。草木灰を目の細かいふるいを使いながら、粉のまま葉面散布していきます。まだ葉の表面に朝露が付いている早朝が効果的で、週一回くらいうっすらと施してやるだけで効果があるというのです。
早速実験です。都会だとなかなかアブラムシにも出会えなくなりましたが、運良く近くの緑道際にアブラムシの付いた草を発見しましたので、そこに少量の灰を散布して様子を見てみることにしました。灰ですからそれでアブラムシが死ぬことはありませんが、翌日見に行ってみたら、皆無というわけではありませんが、かなりアブラムシの量が減っていました。これは忌避剤として使えます。実験台に使ってしまったアブラムシさん、ごめんなさい。
草木灰は、ウドンコ病、モザイク病、フハイ病などの予防や、虫全般の忌避に有効だとの話もありますので、引き続き実験していきたいと思っています。
灰の効果はアルカリの効果だと思いますが、逆に酸性の米酢がウドンコ病、モザイク病、フハイ病、ナンブ病などの予防に効果的という話もあります。米酢を、植物の種類に応じて25倍から50倍に稀釈して、スプレーで葉面散布していきます。小松菜やホウレン草などには50倍溶液を5日おき、キャベツや白菜などは 25倍溶液を収穫20日前に、大根や蕪などの根菜類には25倍液を収穫前や越冬前に散布すると良いという話です。これはまだ未実験ですが、ご参考まで。
アブラムシなどの忌避には木酢液も効くというので、これも緑道際のアブラムシで実験してみました(アブラムシさん大迷惑!w)。木酢液は濃すぎると大切な土壌の微生物を殺してしまいますから、その心配がないごく薄い稀釈液、具体的には1000倍に薄めた物を使ってみました。
水溶液の散布は葉が乾いている時間帯に行います。ただし炎天下には行わない方がいいですから、朝露が乾いた遅めの朝、といった時間帯が適しています。極めて薄い水溶液ですから、付いてしまったアブラムシをどかす力はイマイチでしたが、同時に散布した付近の草に被害が広がっていくのは防げていたようでした。つまり予防として使うには効果がありそう、ということです。月2〜3回の散布で予防効果があるそうです。
なお、これをさらに強力にするニンニク木酢溶液というのもあるそうです。木酢原液100mlに皮をむいたニンニク20gを漬け込み、3か月寝かせて作ります。やはりこれも1000倍に希釈して散布すればよさそうです。これは現在漬け込み中です。
忌避ではなく、虫を寄せ付けてどかすには、米ぬかが使えるとの話がありました。対応するのは、ネキリ虫やハリガネ虫です。これらは土の中に住んでいて、これにやられると、まさに根こそぎ根をやられてしまいます。プランターではあまり心配ありませんが、地面に直接植えておくと、被害に遭いやすくなります。そこで、ネキリ虫などが出たら、土を10cmほど掘り、米ぬかを一握り入れて土を被せておくのです。するとネキリ虫などは根から離れて、米糠の方に集まっていきます。
家の庭で実験してみました。ところがわが家の庭にはネキリ虫もハリガネ虫もいないようで、何も集まってきませんでした。わが家の庭はネキリ虫も住まない荒れ果てた土なのでしょうか。これが東京というものなかと、ちょっとショックでした。
そこで再び緑道の脇に行き、土を掘って米ぬかを埋めて、4日後に掘り起こしてみることにしました。いるいる!!今度はネキリ虫くんたちが米ぬかの中に集まっていました。これは使えます。
家の庭では誘引した虫たちを糠ごと他の場所に移す必要がありますので、その場所も確保しておく必要がありますが、この米糠誘引法にさらに洗練された方法が工夫できれば、ネキリ虫対策の決定打になりそうという印象を得ました。
話が前後してしまいますが、スギナの持つ抗菌力が、ベト病、ウドンコ病、サビ病、フハイ病、エキ病などの予防や治療に使えるという情報もありました。作り方は、水の中にスギナを適宜入れて約5分間煮だし、漉して冷めたら展着剤(散布した液の付着をよくする素材)としてスギナ液1リットルあたり石鹸を5gを混ぜてできあがりです。さらにここに米酢を40mlを混ぜると効果的とのことでした。スギナは抜いても抜いてもこれでもかと生えてくるので、都会でも手に入れやすい植物です。効果のほどはまだ未確認ですが、とりあえず作って使って試してみています。なお、ツクシの季節にはツクシが使えると、さらに強い抗菌力が期待できるとのことでした。
バクテリアやカビなどの病害全般に対しては、葉ネギ液も効果があるそうです。葉ネギ一掴みを密閉可能な容器に入れ、熱湯1リットルを注ぎ蓋をして15分。これにやはり展着剤として石鹸5gを加えます。実際の散布にはこれを2倍に薄めて使います。これも効果はまだ実験中の段階ですが、おそらく治療用にも予防用にも使えると思います。
除草については、逆転の発想で、自然の草と共存可能な植物を植えるという方法が考えられると思います。景観を楽しむ草花の場合は雑草との混在は無理かもしれませんが、野菜なら除草などしなくても大丈夫な作物がたくさんあります。
たとえばホウレン草は雑草の接近をうまく避けて伸びていきますし、むしろ適度な雑草は根元まわりの水や泥の溜まりを防止して、健康なホウレン草の生育につながります。またこうして他の植物と共存させて育てたホウレン草はシュウ酸分が少なくおいしくなることが多いのです。コマツナなども雑草と共存できる葉物野菜です。
またこれからの季節はナスなども雑草の中で育てられます。キュウリも野原のような草だらけの環境で育てると、味の濃いおいしいキュウリの収穫が期待できます。
まだまだ、毒物を使わず生き物も殺さないガーデニングのテクニックは色々あると思います。それらをひとつひとつ実際にやってみて、その効果を検証し、効果のある方法を呼びかけ、広めて行きたいと思っています。今そのためのスタートラインに立った所です。環境を毒化しない、命を殺さない、自然と共存していくガーデニングをとことん突き詰めたい、広げたいと、夢が膨らむゴールデンウィークでした。


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