★★★(三ツ星)
わが家にはハウスキーピング上の縄張りがあります。
私が小学校に上がった春、真新しいランドセルなどといっしょに、
ここが今日からあなたの「お家当番」の場所ねと、玄関を縄張りにもらったのがはじまりです。
母のお家当番の縄張りは、まずリビング。
カーテンやテーブルクロスなどは全て母の見立てです。
季節ごとに装いを変えるのも全て母の思うがまま。
担当者はその場所において、領主のような権限が行使できるのです。
手入れも行き届いていて、どこもぴかぴか。
母はそれをとても楽しそうに行っていました。
父は通常の部屋の他、トイレとバスルームも領地にしていて、週末になるとお掃除しています。
これも責任を負わされてやっているのとは違う楽しさが伝わってきました。
そういう面白そうな縄張りをもらえることになったので、私は大喜びでした。
このお家当番の縄張り制度は、私が大人になった今でも続いています。
年末の大掃除などの時は、それぞれが自分の縄張りに責任を持ちながら進めていきます。
いかに自分の縄張りをすばらしく仕上げるかを競い合うことでモチベーションが上がりますし、
自分の縄張りのスケジュールは自分の都合に合わせて自由に決められる、
頼まれてお手伝いする以外、自分の縄張りのことだけに専念できるといった点で、
無理なく気軽に大掃除などの大イベントを迎えることができます。
毎年、それぞれ自分の縄張りの掃除に新しいアイデアやアイテムなどを導入し、
それを披露し合ったりするのも楽しいです。
自分が主人公になって、自分の持ち物を手入れしていくのと同じ楽しさで、
自分の都合に合わせて無理なく企画していくハウスキーピング。
これがわが家のやり方です。