「雨」「帽子」「家具」+「縁起物」

#031テーマ

」「帽子」「家具」+「縁起物


“リブ・ラブ・サプリ〜FORTUNE”フレーズ
「さまざまな幸運を秘めた〈桐〉の家具」by ハザマ



“メッセージ”
今、私が一番お部屋に欲しい家具は桐の箪笥です。そう、続けられるかどうかと様子を見ながら衣装ケースに収めている着物のための箪笥。もうそろそろ探したいと思いながら、桐の和箪笥をいろいろ調べていたら、〈桐〉の素晴らしさと幸運の逸話にたくさん出会いました。


昔から今に至るまで、日本では大切なものを桐箱に入れる習慣がありますよね。もちろん大切な着物も桐箪笥にしまってきたわけです。桐は軽くて湿度に強いからなのだろう、くらいに考えていたのですが、実はもっと素晴らしい特性があるんですね。まず「調湿」効果で乾燥・湿気から大切なものを守り、それ自体も腐食しにくいので長く美しく保てること、「断熱」効果で外部からの熱を遮ること、そして「防虫」効果もあるそうです。
もともとは、安政2年(1855)の大地震の時、神田橋あたりに山済みにされていた箪笥や長持ちに火事がおよび、桐の箪笥だけは黒こげながら収納物は無事だったことから、「箪笥は桐がよい」と定着したのだとか。火に強く、炭化した桐の木が断熱材となって中まで火が入らなかったからなんですって。そんな江戸時代の出来事から、大切なものは桐に入れて守るという考えが見出されたのですね。


また、桐の木は成長が早く、15年程度で木材になるので、かつては女の子が生まれると嫁入り道具の箪笥などを作る材料としてイエの庭に植える風習も。このお話はこれまでにもここで紹介されて、素敵だなぁと憧れていました。


そしてさらに、桐は「瑞運を宿す幸運の木」としても昔から名高いんですね。昔の中国に、想像上の瑞鳥「鳳凰」が来て鳴くめでたい桐の木という逸話があり、それが日本に伝わってそのまま定着したそう。その瑞運の逸話も、それが今も「桐紋」や花札の「桐に鳳凰」の組合せの札などに残っているのもはじめて知りました。


写真は、つい最近になって見つけた桐の小物入れです。本来はデスクまわりの整理向きだったのですが、先日京都の古道具屋さんで同じようなものを見て、昔の着物の「半襟入れ」と書いてあったのを思い出し、なるほど丁度いいと、私も半襟入れとして使うことにしました。これは4段の引き出しがあるので、ほかにも帯揚げや帯締めを収納しています。着物箪笥はじっくり考えるとして、まずは着物小物入れからw


日本の桐は、福島県の「会津桐」や岩手県の「南部桐」が有名だそうですが、今では桐材の約95%が輸入材というのも知って、ちょっと残念です。それだけ昔のように桐の家具が使われなくなったということなのでしょう。もう一度、桐の素晴らしい特性と文化が見直され、何代にもわたって使い継いでいける家具が大切にされていくことを願ってやみません。


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※今回の「いわし」ご投稿は4月27日(月)正午で終了とさせて頂きます。
※今回のピックアップ賞は4月28日(火)に「イエはてな」にて発表いたします。
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