「いんちき絵手紙のススメ」by id:watena


絵手紙が流行っていますが、絵心がない者には手が出せません。しかしヘタウマも味のうちと考えられるならこんな書き方もある、という一例をご紹介してみたいと思います。
まず下書きです。絵手紙の達人は何もない真っ白な紙の上にスルスルと筆を走らせていきますが、素人は下書きがないと何も書けません。そこで半紙などの薄い紙に鉛筆で下書きをすることにします。それを画仙紙などのハガキの裏にドラフティングテープ(低粘着の仮止め粘着テープ)で貼り付け、光に透かして書いていくことにします。こういう重ねた紙を透かして見ながら書いていく道具にはトレス台がありますが、昼間の窓ガラスを代用しても書けないことはありません。

Too トレスボックス 2S

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なぜハガキに直接下書きをしないのかというと、たいてい紙が和紙だからです。消しゴムが使えない紙に、鉛筆で下書きをすることは出来ません。
筆は、有り合わせの筆ペンでごまかすことにします。色つけは本格的には顔彩を使いますが、あれば何かと使い道の広い、色が綺麗な水性マーカーを流用することにします。下でご紹介する商品は高額ですが、それは48色セットだからです。画材店に行けばバラ売りがあるはずですから、それを買ってください。6色もあれば十分だと思います。色つけ用の筆も、使い終わった筆ペンのインクを洗って使えば十分です。

マービー ブラッシマーカー 1500 48色セット

マービー ブラッシマーカー 1500 48色セット

実際に書いてみましょう。光に下書きを透かしながら、まず色つけから始めていきます。普通は墨で輪郭を書いてから色つけでしょうが、筆ペンでそれをすると、見事に墨が溶けて流れます。
色は淡い方がいいので、マーカーをお皿にこすりつけ、それを水を含んだ筆先で溶かして塗っていきます。こういう使い方をするので、水性マーカーを選んだわけです。
色を塗り終わったら完全に乾くのを待ち、筆ペンで輪郭線を書いて、これで絵は完成です。あとは適当に文字を添えて、落款(ハンコ)を押して完成です。
落款は落成款識(らくせいかんし)の略で、本来は書画の完成にあたって日付や作者名などを書き付けたもの、あるいはその行為をさす言葉ですが、近年はもっぱら完成にあたって押すハンコのことをさしています。
落款を押印する場所は任意ですが、鮮やかな朱は目立ちますから、ここに押すと絵が引き締まると思う所に押すとかっこよく仕上がるようです。落款は消しゴムハンコで十分ですが、ゴムは朱肉に弱いので、その場合はゴム印用のスタンプ台を使います。日持ちしませんが、野菜屑をカッターや彫刻刀で削って作ってもいいですね。
以上であなたも自己流いんちき絵手紙作家の仲間入りです。最低限、筆ペンで輪郭を書き、文字を書いて、落款を押せばそれっぽく見えます。友だち同士で写メールをやり取りする雰囲気で、こんな絵手紙もどきをやり取りすると楽しいですよ。以上、素人でもすぐ書けるいんちき絵手紙のお勧めでした。


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