「新築祝いに果樹を贈る」by id:YuzuPON


従兄が念願のマイホームを建て、引っ越すことになりました。うちでも何かお祝いをしようということになったのですが、従兄というとわが家で対応する世代の者は私になりますので、父の意向で私が祝いの品を考えることになりました。
最初は何を贈ったらよいか全く見当が付かなかったのですが、そうだ、果樹を贈ろうと思い立ちました。果樹なら花の季節には美しく庭を彩り、葉は緑化に貢献し、実の季節には収穫が楽しめます。さらにその楽しみが次の世代までも続いていくことはとても縁起がよく、きっと喜んでもらえると思いました。
問題は何の木を贈るかですが、こればかりは植える場所に左右されますから、何が贈られるかわからないサプライズを楽しんでもらうのはあきらめて、植える場所の広さや土壌の質、日当たりや水はけなどを考慮しながら、従兄と相談して決めることにしました。建築途中の現地を見に行き、あれこれ相談した結果、花の楽しみを重視して梅がほしいというので、梅の苗木を贈ることに決定しました。
品種は二種類。白加賀と花香実です。なぜ二本かというと、理由は二つ。一つはお祝いの贈り物なので紅梅と白梅の組み合わせで紅白にしたかったということ。もう一つは、梅が自家受粉しにくい果樹だからです。花だけでなく実を楽しむには、異なる株を隣接して植えて受粉を促してやる必要があります。
梅には花の観賞に向く花梅と果実の利用に適した実梅がありますが、白加賀は大きめの花が美しく実も豊産性で、両方楽しむのにぴったりです。花の色は名の通り白、実は果肉が厚いので、梅干はもちろん、梅酒にとても向いています。安定した結実で育てやすいのですが、花粉が少なく他の木に頼る必要があります。
そこでパートナーとして花香実の出番です。ガラスの仮面紅天女が出てくるような鮮やかな紅梅ではありませんが、淡い紅色の美しい八重咲きの花を咲かせます。花の時期が比較的長く、おまけに花粉が多いので、これを受粉用にすることにしました。もちろんこれもいい実を付ける種類ですから、実ればたっぷり梅干しや梅酒作りが楽しめます。
どちらも樹勢が強く耐寒性もあり、また根の張り方や育った後の木の大きさなども似ているので、並べて育てるのにちょうどいいかと思い、この二種類に決めました。新築直後に苗木を携えて植えに行き、無事根付いて私の新築祝いは完了しました。
梅は実を付けるまでに最低4〜5年はかかります。引っ越しの翌年、従兄の家に赤ちゃんが生まれましたので、その子が幼稚園になるころに、最初の実が楽しめることになるはずです。子供の成長と共に、だんだん本格的な収穫が楽しめるようになるでしょう。
今までにも何度かイエの記念樹の話題が語られましたが、いつか私も独立して新居を構えたら、木の贈り物がほしいと思います。庭がない家の方には鉢植えでもいいと思いますが、“エコ・ルポ”でLady_Cinnamonさんが紹介されていた「エコロギフト」もいいですね。
http://q.hatena.ne.jp/1219380594/181880/
環境貢献にお祝いの気持ちを込めて贈る緑のプレゼントが、もっと広まることを願っています。


»このいわしのツリーはコチラから