「鰯の〈田つくり〉〈ごまめ〉」by id:Lady_Cinnamon


おせち料理は、五穀豊穣、健康、子孫繁栄を願って、その年の神様をイエにお迎えしてお供えするための料理でもあります。そのため、縁起物を五味(甘、辛、酸、苦、塩辛い)、五色(赤、青、黄、黒、白)でそろえ、品数も陽数(奇数)になるように献立を考えるのだそうです。


さて、お正月の祝い肴、三種。田つくり、黒豆、数の子のうち、田つくりは鰯料理です。昔、鰯が大漁のときに、余った鰯を肥料として田んぼに蒔いたところ大豊作になったということから、豊作を願う献立となりました。


田つくりの材料となるのは、鰯の内でも小さなカタクチイワシで「ごまめ」と呼ばれます。元々漁師さん達の間で「こまむれ(細群)」と呼ばれたのが「こまめ」となり、田の豊作に因んで「五万米」や「五真米」という当て字も生まれました。


鰯の素干しである「ごまめ」も、ごまめを甘辛く煮付けた「田つくり」も、豊作を願った昔の人の験担ぎ。お正月だけでなく普段の食卓やおつまみに加えるのも、幸先が良くなる一品になりそうです。


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