「わが家系独自のお彼岸のお供え〈うさぎまんじゅう〉」by id:tough


中秋の名月がテーマのいわしにウサギをかたどったお団子の作り方が投稿されていましたが、わが家では秋のお彼岸に、子供がウサギをかたどった饅頭をお供えする習慣があります。本家でやっているので、そこそこ昔からの習慣のようです。
うさぎ饅頭の作り方はとても簡単で、用意するのは白いお饅頭と、焼け火箸と、爪楊枝と、食紅だけ。火箸を焼いてお饅頭の上に押しつけてうさぎの耳を描き、爪楊枝に食紅を付けて目を書く。ただそれだけです。
子供たちはお墓参りに行く時に一人一個ずつ、このお饅頭を渡されます。そしてそれを一人一人、墓前に供えていきます。これが秋のお彼岸の子供たちの大切な役割です。親戚中の子供が呼ばれますから、たくさんのウサギが並びます。その様子がとてもユーモラスで、辛気くさい墓参りのイメージがありません。
お墓参りが終わると、お供えしたのとは別のウサギ饅頭も配られます。それが子供たちへのご苦労賃です。きっと甘い物が少なかった時代には大変豪華なご褒美だったことでしょう。
私も子供のころは、このウサギ饅頭のお供えに参加しました。今は自宅で作ってお仏壇にお供えしていますが、いつか私が結婚して子供ができたら、その子がまたウサギ饅頭をお供えするのかなぁと思って眺めると、先祖供養と同時に子孫繁栄を祈願したのであろうこの習慣のはじまりが理解できるような気がします。


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