ノミネート賞

「竹でトングを自作して街掃除」by id:Fuel


社会人になっても、やはり夏休みとなると、工作の血がうずきます(笑)。
去年の夏は竹で南米の民族楽器ケーナ作りを楽しんでみましたので、今年もぜひ竹を使った夏休み工作をしてみようと思っていました。
そこに飛び込んできた「ECO ACTION 2008 Summer」の企画。さっそく竹を使ったエコ工作のアイデアを考えました。それはトングです。
竹でトングを製作し、それを持って街に出る。手作りのトングで街のゴミを拾い集める。これはきっと見る人にインパクトを与えるはずです。というか、そういうことに気付く人がいるとすれば、それはとても環境問題などに意識が高い人でしょうから、そういう人との出会いが得られたとしたら、とてもすばらしい夏になりそうな予感がします。


さっそく材料となる竹の調達ですが、これはあらかじめ付近のお店が飾っていた七夕の笹(実際は竹)の残骸をいただいてきてありました。これをナタで割って細長い棒を作り、平たく削って2本を合わせて片側に木製のスペーサーを挟んで接着し、仕上げに竹の割れた縁を危なくないように滑らかに削れば、なかなか立派な自作トングの出来上がりです。どんな物か想像が付かない人は、竹で巨大なピンセットを作ったと思ってください。
本来なら使う竹は加熱して油抜きをする所でしょうが、今回は省エネということで、この工程は省いています。しかし実際に使ってみて、それで何の不都合もありませんでした。逆に、竹製のトングは探せば市販品がありますが、



青みの残る竹をそのまま使ったことで、市販品とは違う手作り感溢れるトングになりました。


さっそく出来上がった自作トングを持って街に出てみました。変な物を持って街を徘徊しますので、不審者と間違えられないように、手に持ったゴミ袋にはマジックで「自主清掃実施中」と書いてみました。単なる自己満足かもしれませんが、捨てればゴミとなったお店のディスプレイの残骸の竹からツールを作り、それを使って街の掃除をするのは爽快でした。やった!って感じです。


数人の人が声をかけてくれました。その中で使っているトングが自作であることに興味を示してくれたのは、いかにも恐そうな高校生くらいの不良っぽい一団でした。


俺らこの街好きっすからこういうの見るとうれしいっすよ、七夕の竹っすか、街がきれいになる願いがきっとかないますね、なんて励ましの言葉をくれました。人は見かけじゃありません。遊んでいる子ほど街を愛しているんですね。


地球のために私たちができることは、本当にたかがしれていると思います。人工的に作り変えられてしまった街をいくら掃除して回っても、それが自然環境を回復させることになんてつながっていかないと思います。しかし、それを見る人にアピールできる形でやっていけば、もしかして後に続いてくれる人が現れるかもしれません。そして都市の中に散乱するゴミの実態をその目で見て、いかにたくさんの資源がゴミになるために生産され流通しているのかなどに気が付いてくれるかもしれません。そこから始まるエコライフの歩み。その広がりを期待して、これからも自作トングでの街掃除を、折に触れてやってみたいと考えています。


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