ノミネート賞

「木を切らない運動」by id:asukab


革新地盤で自然環境保護運動が盛んな当地らしい話題を見つけたので、ご紹介します。
公立学校の校舎改築を進める中、9月3日の新学期に向けてI高校増築のため、シアトル公立学校区(市教委に当たる)が同校敷地内100本の木を伐採しようしたところ、環境保護団体のひとつ”Save Our Trees”が意義を申し立て裁判を起こしました。地域のフクロウやチカディーなどの野鳥保護、森の生態系維持を理由にした伐採反対は今月25日、地方裁判所の判決で勝訴。伐採は市議会の許可なしでは不可能ということで、2月まで持ち越されることになりました。学校区は伐採実行の前に環境変化の影響などを住民公聴会で公表すべきだったとしています。ただ増築計画の予定変更から生じる諸費を援助するために、判決は同団体に7500ドル(70万円ぐらい)の保証金支払いを命じています。学校区にしても計画がすべて狂うことになるので、保証金受領は妥当なところでしょうか。
この”Save Our Trees”という団体ですが、純粋に近隣の人々が中心になってにわか仕立てで結成したボランティアグループのようです。結構うちの近くでのできごとでもあり、保証金支払いなど運営資金が必要でしょうから、ぜひ募金しようと思っています。老朽化した校舎を建て替え教育環境の整備を優先するより自然環境保全を選んだ、当地らしい判決にちょっと感動でした。
ところで昨年、シアトル市長は都市森林マネージメント計画を発表し、今後30年間で18%〜30%市内の森を増やす計画を発表しました。そうするに至った背景には、森林地帯に属する当地の独自性もあったかと思います。シアトルは本当に木の多い土地。そのため暴風雨の際は木が倒れて家が倒壊したり停電が長引いたりで毎冬大きな被災ニュースになります。また、大木の根っこが舗装や歩道にデコボコを作り転んで怪我をする人が多かったり、車椅子の人が通れなかったりで、木はどちらかというと快適な市民生活の邪魔ものと受け取られている部分があるのでした。なので、夏場になるとよく木を切るチェーンソーの音があちこちから響き渡ってきます。木登りという危険な技を要する職業「きこり業」は、とても高収入です。
それでもやはり、限界は見極めないといけません。市長自身、100本伐採の有無には何の権限もないと話していますが、心中では木を残して欲しいと願っているのではないかなあと察しています。木に囲まれた豊かな暮らしを願いながら。


Trees safe at Ingraham High
Local News | Judge: Tree-cutting at Ingraham High needs city approval | Seattle Times Newspaper


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