敬老の日は人生の先輩たちの経験や昔ながらの知恵を生かす日」by id:Oregano


敬老の日は、終戦の二年後の1947年に、当時の兵庫県多可郡野間谷村(現多可町八千代区)の村長さんたちが「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と呼びかけたことに始まります。戦争の爪痕がまだ生々しかった時代に、辛い歴史を乗り越えてきた人生の先輩達に感謝しつつ、その知恵を復興のために生かしていこうということだったのだろうと思います。
こうした敬老の日の発祥を思うと、この日はただおじいちゃんおばあちゃんありがとうの日では足りない、忘れかけられている昔の知恵を発掘して現代に生かしていく日にしないといけないと思うのです。
先ごろイエはてなで夏休みスペシャルの「エコ・ルポ」が開催されましたが、エコライフの基本やエコのための知恵の多くは、昔ながらの知恵に由来していると実感しました。炭団作りでもったいないの心の核心に触れる体験をしたり、風呂敷の活用が呼びかけられたり、中にはそのものずばり、エコ暮らしとは戦後すぐのような暮らしを取り戻していくことなのかもしれないといった意見も見られました。自然保護や地球温暖化防止のためにも、長い経験を積んでこられた人生の先輩たちの知恵が大切です。
また、今の時代限定かもしれませんが、戦争を経験してきた人だけが持っている生の体験や、そこから生まれてくる社会作りへの願いなどを知り、受け継ぎ、生かしていくことも、忘れてはならないことだと思います。戦争未体験世代が政治家の中心になったとたんに目立ってきた焦臭い法律や議論などを、戦争体験者はどう感じているのかなど、そういうことも私たちの世代がしっかり受け止めていかないといけないと思います。
そのためにはまず、敬老の日をチャンスに、自分のおじいちゃんおばあちゃんはもちろんのこと、地域の人生の諸先輩の皆さんなどと、積極的なコミュニケーションを持っていくことでしょう。そういう語らいの中から、受け継いでいきたいもの、今に生かしていきたいもの、国作り社会作りに反映させていきたい願いなどが見えてくると思います。私も今年からは、ただありがとうに終わらないコミュニケーションの出発点として、この日を生かしていきたいと思っています。


»このいわしのツリーはコチラから